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辻希美&加護亜依によるW(ダブルユー)復活の背景 『ひなフェス』共演までの道のりを辿る

2019年04月06日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 3月30日に幕張メッセで開催された『Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project ひなフェス 2019』(以下、『ひなフェス 2019』)の昼公演に、辻希美と加護亜依によるアイドルデュオ・W(ダブルユー)が出演した。Wは、加護が所属事務所に契約解除されたことによって、2007年に事実上の解散がされていたユニット。2006年時点ですでに活動休止していたため、2人揃ってのパフォーマンスは約13年ぶりのこととなる。本稿では、そんなWの復活までの背景に迫るべく、ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)事情に詳しいライター・ピロスエ氏に話を聞いた。


(関連:モー娘。’19、アンジュルム…各グループの平均年齢も算出 ハロプロメンバー学年別分類2019年版


「辻さん、加護さんが加入した頃は、モーニング娘。における“黄金期”と呼ばれている時期です。エースの安倍なつみさんや後藤真希さん、年長のリーダーに中澤裕子さん、歌唱の要のメンバーであると同時にツッコまれキャラでもあった保田圭さん、ギャルっぽい矢口真里さんなどがいるなか、辻さんと加護さんが加入。“いたずら好きな末っ子キャラ”が2人いるということで“悪ガキコンビ”のような存在でした。


 Wは、加護さんの2度の不祥事によって活動を止めざるを得なくなってしまいました。ハロプロでは、解散するグループにはラストコンサートなどの“有終の美”が用意されています。しかし、Wはそういった機会が用意されないまま事実上の解散になってしまった。ファンも心の持って行き場がなかったことと思います。


 加護さんは、所属事務所との絶縁状態がしばらく続いたあと、2018年の夏に開催したハロコン(『Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project 2018 SUMMER ~ALL FOR ONE・ONE FOR ALL~』)でゲスト出演を果たします。おそらく、ハロプロの20周年のタイミングが双方の距離を縮めたのでしょう。また、Wの再結成も期待されていましたが、ちょうどその頃に辻希美さんは妊娠しており、2人揃ったパフォーマンスを見ることはできませんでした。そのため今回の再結成は、前回のリターンマッチとして設けられた機会だったのではないでしょうか」


 続けて同氏は、『ひなフェス 2019』でのパフォーマンスについても次のように語る。


「この日は、Wだけでなく鞘師里保さんの登場も同じぐらいのインパクトがありました。鞘師さんはモーニング娘。の高橋愛さんや田中れいなさんが卒業した2013年以降の時期のエース。9期以降のメンバーのなかでも特に人気が高いメンバーです。一方Wは、“黄金期”ファンからの人気が高いユニット。そんな異なるファン層を持つ2組が、同じコンサート空間にいたことが非常に興味深かったです。20年以上続けてきたモーニング娘。だからこそ実現したことだと思います。


 また、Wはモーニング娘。’19と共に「I WISH」を歌っていました。苦難の日々を過ごしてきた加護さんが〈全ていつか納得できるさ〉〈人生ってすばらしい〉というフレーズを歌う。これ以上エモーショナルな空間はないと思います。モーニング娘。の長い歴史から見てもかなりの名場面でした。今回のコンサートによって、ファンの心がようやく救われたように思います」


 長い時間をかけて、ハロプロのステージで再会することができた加護と辻。加護は、自身のInstagramで「ずっと待っててくれたのは、のんでした」と辻への思いを綴っている(参考:https://www.instagram.com/p/BvoiPsehvtL/)。また、3月30日には、2006年リリース予定だった幻の楽曲「ちょい悪デビル」を表題曲としたミニアルバムも発売された。2人にとってもファンにとっても待望の再結成。今後の活動は明らかになっていないが、またいつか2人がパフォーマンスする姿を見れることに期待したい。(取材・文=北村奈都樹)