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松下優也の“ありのまま”の姿 俺様キャラも垣間見えた10周年記念ツアーファイナル公演を見て

2019年04月05日 17:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 昨年ソロデビュー10周年を迎えた、松下優也。2月2日からは『LIVE TOUR 2019 ~10th Anniversary~』で全国を回ってきた。そのツアーファイナルが、3月26日に豊洲PITで行われた。


(関連:松下優也が明かす、6年ぶりソロアルバムへの想い「影の部分にフォーカスを当てたかった」


 ステージ上には宮殿のような柱とシャンデリア、そのド真ん中には“King”の椅子が鎮座している。映像とSEが流れ、ライブがスタート。逆光でステージが見えなくなった次の瞬間、Kingの椅子にはアルバム『BLACK NEVERLAND』のCDジャケットで着用していた衣装に身を包んだ松下の姿が。ダンサーも登場し、「King U-Wingy」が始まった。おもむろにハットを取ると、「Midnight Party」へ。ダンサーたちと共に、松下もガシガシと踊っていく。会場が一気に熱気に包まれたところで、ミディアムナンバーの「Butterfly」。観客のボルテージは曲ごとに増していき、クラップの音がより一層大きくなっていたのが印象的だ。


 大きな歓声が起こると、最初のMCに。このMCも松下らしさが全開だった。「今年、11年目を迎えます」と言うと、観客の反応を待たずに「拍手」と俺様キャラを垣間見せる。かと思いきや、途中コメントを噛んで笑いを誘ったり、観客に向かって手を振るなど、サービス精神旺盛だ。


 この日、6年ぶりのフルアルバム『BLACK NEVERLAND』のフラゲ日ということもあり、続いてアルバム曲「Love」を披露。笑顔で楽しそうに踊りながらパフォーマンスをしていく。途中「Everybody,singing!」とシャウトすると、観客も〈Love love love love love love making〉と声をあげた。続いては、「Naked Night」、「Bird」、「Last Dance’ 06」と懐かしのナンバーが飛び出す。伸びやかかつ力強い松下の声と、ステージに映し出された美しい映像が相まって、耳も目も幸甚の至りであった。


 ここで、松下の思いが語られる。デビュー当時と今では考え方が変わってきていること、好きなことを仕事にしているが故に苦悩を抱えていること、ネガティブな部分にずっと蓋をしてきたこと、ネガティブなことを松下が発信することでみんなが何かを感じてくれるかもしれないと思ったこと、それを今回のアルバムで歌詞に綴ったこと……。そんな告白の後に披露されたのが「In Darkness」だ。彼にとって特に思い入れが強く、歌詞を味わってほしい曲だからだろうか。ステージに歌詞が映し出される。松下が観客に語りかけるようにパフォーマンスする姿が印象的だった。


 会場が「In Darkness」の世界観にどっぷり染まったところで、デニムとパーカーに衣装チェンジした松下が登場。雰囲気をガラリと変える「Whisper my name」、「Naturally」とグルーヴィーなナンバーが続いた。「10th Anniversaryだから、前の曲もアップデートした今の曲もどっちもセットリストに入れて楽しんでもらえたら」という言葉の通り、次は『BLACK NEVERLAND』から「午時葵」が披露される。マイクスタンドを使い、心を込めて歌う松下に会場中が引き込まれた。「みんなまだまだいけますか!?」という松下の声と共に、「Once More Dance」がスタート。ここから踊れる曲が続く。「SUPER DRIVE」、「Trust Me」、そして「最後の曲です!」という言葉で「Playa Playa」。会場が一気にダンスフロアに変わった瞬間だ。最後に、「ありがとうございました、松下優也でした!」と観客に感謝を述べ、ステージを後にした。


 しかしまだ、ライブは終わらない。会場中に「YUYA」コールが響き渡ると、「みんな、まだまだいけますか!」と再びステージに登場した松下。「OOAK(One Of A Kind)」からアンコールが始まった。途中、舞台『黒白珠』、ドラマ『インハンド』(TBS系)出演の告知を挟み、最後は懐かしの「Honesty」、「#musicoverdose」を披露。観客も一緒に歌ったり、手をあげたりと、最高の盛り上がりを見せる。そして名残惜しくもライブ、そして『LIVE TOUR 2019 ~10th Anniversary~』の幕を下ろした。(文=高橋梓)