モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第7戦テキサス
デニー・ハムリンが今季2勝目!
トヨタはテキサスの週末、3カテゴリー完全制覇
テキサスのハイバンクオーバルでの戦い、カップ・シリーズでは2度のペナルティをはねのけたデニー・ハムリンが今季2勝目。エクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズではスポット参戦のカイル・ブッシュが両レースを制し、トヨタはテキサスの週末に行われた3カテゴリーすべてで勝利を飾りました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第7戦 O’Reilly Auto Parts 500
開催日:3月31日
デニー・ハムリンがペナルティから追い上げ今季2勝目!
3月31日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第7戦O’Reilly Auto Parts 500が開催されました。
テキサスは24度と高いバンク角を持つハイスピードコース。これまでにデニー・ハムリンが2勝、カイル・ブッシュが3勝を挙げています。カイル・ブッシュはこの週末、併催のトラック・シリーズとエクスフィニティ・シリーズを制しており、NASCAR史上でも自身しか成し遂げていない同一週末の3カテゴリー制覇、テキサスでは初となる“ウイークエンド・スウィープ”を目指し臨みました。
31日(日)午後2時18分、1.5マイルオーバルを85周、85周、164周の3ステージ合計334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
トヨタ勢はハムリンが最上位6番手グリッドから上位を争うなか、11番手からポジションを上げていったエリック・ジョーンズが15周目にスピン。幸いにもどこにも接触せず、ダメージはありませんでしたが、タイヤ交換のためのピットインを強いられ、31位と大きくポジションを落としてしまいました。
16番手からスタートしたカイル・ブッシュは、目前でのエリック・ジョーンズのスピンを間一髪でかわし、上位へとポジションアップ。
カイル・ブッシュとともに上位を走行していたハムリンでしたが、ステージ1の終盤、ピットイン時にスピード違反のペナルティを受けることとなり後退。ステージ1はカイル・ブッシュが8位に終わりました。
ステージ2は、ほとんどの車両がピットインするなかでピットインせずコースに残ったマーティン・トゥルーエクス・Jr.が首位へ浮上。しかし、トゥルーエクス・Jr.はハンドリングに苦しみ、6位再スタートからポジションを上げていったカイル・ブッシュがトゥルーエクス・Jr.もかわして首位争いに加わりました。
ステージ間にピットインしなかったため、他車よりもやや燃料が少ないトゥルーエクス・Jr.らが140周目前後からピットへ向かいましたが、その直後、149周目にイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)が発令。不運なタイミングでのコーション発生にトゥルーエクス・Jr.は順位を落とすこととなりましたが、逆にピットインせず走り続けていたハムリン、カイル・ブッシュがワン・ツー体制となりました。ハムリンはそのままステージ2を制覇。カイル・ブッシュが2位。
しかし、ハムリンはステージ3スタート前に、今度はピット作業ミスによるペナルティ。ようやく“ラッキー・ドッグ(コーション発生時に周回遅れの最後尾が1周取り戻せる救済措置)”を獲得したエリック・ジョーンズとともに、ステージ3は18位、19位での再スタートとなりました。
何台かがピットインしなかったため、8位で再スタートを切ったカイル・ブッシュは、イエローコーションが出ない展開が続くなかで着実に順位を上げていき、246周目に首位に復帰。
255周目にこの日3度目のアクシデントによるイエローコーションが出されましたが、ここでエリック・ジョーンズはピットへ入らないギャンブルに出て首位浮上。燃料のみのピットインとしたカイル・ブッシュとハムリンもポジションを上げ、再スタート後にはトヨタ勢がワン・ツー・スリー体制となりました。
エリック・ジョーンズと首位争いを繰り広げたカイル・ブッシュは278周目にタイヤグリップを失い、壁にヒット。大きなダメージではありませんでしたが、翌周緊急ピットインを強いられ22位へ後退してしまいました。
その後、300周目過ぎにエリック・ジョーンズとハムリンもピットへ向かい、全車がピットを終えた時点でハムリンが首位復帰、エリック・ジョーンズは4位。その後上位勢の順位変動は無く、ハムリンが2度のペナルティをはねのけてのトップチェッカー。開幕戦デイトナ500に続き、今季2勝目を挙げました。
ハムリンはこの勝利で、ドライバーズランキングでもカイル・ブッシュに続く2位へと浮上しました。エリック・ジョーンズも4位で開幕戦デイトナでの3位以来となるトップ5フィニッシュを果たしました。
カイル・ブッシュは終盤猛烈な追い上げを見せ、10位までポジションを上げてフィニッシュ。開幕から7戦連続でのトップ10フィニッシュを続けています。
次戦第8戦は4月7日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバーコメント:デニー・ハムリン
「我々のトヨタ・カムリは本当に、本当に速かったです。首位に立ってしまえば、後続を少しずつ引き離していくことができました」
「チームメイトの18号車(カイル・ブッシュ)、20号車(エリック・ジョーンズ)とバトルしていたときはややオーバーステア気味だったので、レース序盤の時ほど激しく攻めることはしませんでした。それでも勝つことができたのは、素晴らしく速かったクルマのおかげです」
NASCAR XFINITY SERIES
第6戦 My Bariatric Solutions 300
開催日:3月30日
カイル・ブッシュがトヨタ・スープラで今季3勝目
3月30日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第6戦My Bariatric Solutions 300がテキサス・モーター・スピードウェイで開催されました。
30日(土)午後12時18分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。シリーズレギュラーのクリストファー・ベルとブランドン・ジョーンズが予選1、2番手でトヨタ・スープラが最前列に並んでスタートを切りました。
ベルは首位を逃げ、5番手スタートのカイル・ブッシュがブランドン・ジョーンズをかわして2位でステージ1を終了。ブランドン・ジョーンズは5位。
しかし、ステージ1が終了してピットへ向かったベルはピットロードスピード違反のペナルティ。ブランドン・ジョーンズも車体を持ち上げるジャッキを外さないままピットアウトしてペナルティを受けることとなり、それぞれ18位、19位へ後退。
カイル・ブッシュが首位を争い、ベルとブランドン・ジョーンズがポジションを取り戻していったステージ2終盤、残り10周でクラッシュ車両によりイエローコーション。カイル・ブッシュら大半がピットインしたのに対し、3台がコース上に残り、カイル・ブッシュは4位で残り3周の再スタート。ステージ2はカイル・ブッシュ4位、ベルは猛追で5位、ブランドン・ジョーンズが10位となりました。
ステージ3はピット作業でポジションを上げたカイル・ブッシュとベルが2-3位で再スタートを切ると、3ワイドでのバトルの末にベルが首位浮上。カイル・ブッシュとベル、そしてもう一台のライバルを加えた3台が激しい首位争いを繰り広げました。
一方、トップ5圏内を走行していたブランドン・ジョーンズは他車に接触されクラッシュ。レースを終えることに。カイル・ブッシュはベルを追う途中でバランスを崩して一気に9位へ後退しましたが、再度追い上げ終盤には3位へ。
レースは残り10周というところでピットロード上に車両が停まってしまったためイエローコーション。全車ピットへ向かい、カイル・ブッシュは燃料給油のみでピットアウトしたのに対し、ベルはタイヤを交換。これによりカイル・ブッシュが首位、ベルは3位へと後退。
残り6周での再スタート後はカイル・ブッシュが首位の座を守りきり、今季シリーズ3勝目を挙げました。ベルは3位でフィニッシュ。この勝利でカイル・ブッシュはNASCAR3カテゴリーでの通算勝利数を203へと伸ばしました。カイル・ブッシュは前日のトラック・シリーズも制しており、今季ここまでNASCARトップ3カテゴリーで14戦に出場し9勝という強さを見せています。
次戦第7戦は4月6日(土)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバーコメント:カイル・ブッシュ
「タイヤ交換をしないという選択は確かにポジションアップに有効でした。しかし再スタートが心配でした」
「充分なグリップが得られるかどうか分かりませんでしたが、実際にはうまく行きました。今日の我々のトヨタ・スープラは本当に素晴らしく速かったです」
NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第5戦 Vankor 350
開催日:3月29日
カイル・ブッシュが4連勝
トヨタ・タンドラは開幕から5戦全勝
NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第5戦「Vankor 350」が3月29日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催されました。
29日(金)午後8時15分、夜のコースをカクテルライトが浮かび上がらせるなかで、1.5マイルオーバルを35周、35周、77周の3ステージ合計147周(220マイル:約350km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
スタートして僅か4周で、18歳のシリーズレギュラー、トッド・ギリランドら3台が絡むアクシデントが発生。これにより発生したイエローコーションからの再スタート後も僅か4周で今度はハリソン・バートンがクラッシュ。ステージ1は数周毎にアクシデントが発生する荒れた展開となりました。
今大会もスポット参戦、トヨタ勢最上位の4番手からスタートしたカイル・ブッシュは首位を争いましたが、ステージ終盤のイエローコーションで、ステージ2での好ポジションスタートを狙ってピットイン。
ステージ1はオースティン・ヒルが5位、18歳になったばかりで、初めての1.5マイルオーバル戦(同シリーズは18歳になるまで1.25マイル以上のレースには出走できない規則)ながら6番手からスタートを切ったタイラー・アンクラムが7位。カイル・ブッシュが8位。
ステージ2は作戦通りピットインせずに首位に立ったカイル・ブッシュが一度もその座を譲ることなくトップでステージウィン。ここまで水温上昇に苦しみながらレースを戦ってきたヒルは、ステージ2終了時点でオーバーヒート症状により戦線離脱となってしまいました。
ステージ3は、カイル・ブッシュが3位で再スタート後、数周で首位に立つも、ライバル勢も引き離されることなく激しい首位争いを展開。時に接触しながらのバトルが続きましたが、最終的に逃げ切ったカイル・ブッシュがシリーズ4連勝を飾りました。トヨタ・タンドラは開幕から5戦全勝を継続しています。
アンクラムは6位でフィニッシュ。自身初の1.5マイルオーバル戦でトップ10フィニッシュを果たしました。
次戦第6戦は5月3日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催されます。
ドライバーコメント:カイル・ブッシュ
「我々にとってとても良い夜になりました。我々のトヨタ・タンドラはとても速かったのですが、今夜はライバルも手強かったです」
「もちろん、ライバルと拮抗したレースになるのは良いことです。ただそれは、我々が勝ち続けるためにはさらに速く走れるように、ハードワークを続けなくてはならないということでもあります」