中島貞夫監督の映画『多十郎殉愛記』の本編映像が公開された。
4月12日から公開される同作は、幕末の京都を舞台に、大義も夢もなく日々を無為に過ごす長州脱藩浪人の清川多十郎、脱藩して多十郎のもとを訪れた腹違いの弟・数馬、多十郎に好意を寄せるおとよの3人を軸に、多十郎の捕縛に動く京都見廻組との死闘が繰り広げられるというあらすじ。多十郎役を高良健吾、小料理屋の女将・おとよ役を多部未華子、多十郎の弟・数馬役を木村了が演じる。中島監督の一番弟子である熊切和嘉が監督補佐として参加。
公開された映像は、小料理屋でおとよに因縁をつける岡っ引きたちに、多十郎が立ち向かうシーンを捉えたもの。おとよが「どうぞ、堪忍してやっておくれやす」と頭を下げる姿をはじめ、岡っ引きたちが店内を荒らす様子、多十郎が帯に挟んでいたすりこぎで岡っ引きたちを追い払う場面、おとよが多十郎の背中にすがりついて泣き声をあげるシーンなどが映し出されている。多部の演技を見た中島監督は「受け芝居が天才的」と評し、ワンカットでこのシーンを作り上げたという。