レースシミュレーター用のステアリングコントローラーなどを展開するThrustmaster(スラストマスター)と元F1ドライバーのジャン・アレジ率いるジャン・アレジeスポーツアカデミーのコラボレーションによるeスポーツアスリートの育成プロジェクトが発足した。
近年、急速な広がりをみせモータースポーツ界では『グランツーリスモSPORT』を用いたFIA国際自動車連盟公認レースや、国内でも同ソフトでのeスポーツ競技が2019年開催の茨城国体で初めて採用されるなど活発な動きがみられるeスポーツ。この分野のアスリートに対し最適なトレーニングなどを提供することでサポートを行うのが、今回発足した新プロジェクトの目的だ。
すでにF1やアセット・コルサ、iRacing、グランツーリスモなどの選手権に7名の選手を起用して参戦しているジャン・アレジeスポーツアカデミーとスラストマスターとのコラボレーションプログラムでは、選考によって選ばれたシミュレーションドライバーを対象に、さまざまなトレーニングメニューが提供される。
そのなかのトレーニングコースでは、レース戦略やマシンの微調整、メンタル面の準備、フィジカルトレーニングと食生活、そしてコミュニケーションなど、ドライバーにとって必要なすべての要素をカバーする。これらのトレーニングのすべてはアレジと、かつてミナルディF1でテストドライバーを務めたマッテオ・ボビーのサポートに基づいて実施されるという。
また、今プロジェクト最大の特徴はトレーニングでスラストマスターが提供する機材が用いられる点だ。
スラストマスターのスポンサードを受けるeレーサーを含む、すべてのアスリートたちが受けるトレーニングには同社の持つ豊富な技術的ノウハウやそれによって生み出されたレーシングシミュレーター関連製品が導入される。これにより受講生全員がトップアスリートとして相応しい待遇を受けることになるという。
「豊富なノウハウと歴史、ネームバリューを持つ製品群を擁するスラストマスターは、我々にとって理想的なパートナーだ」と語ったアレジ。
「彼らの製品を使ってトレーニングができることは、ドライバーたちにとって非常に大きなアドバンテージになるだろう」
また、スラストマスター社eスポーツ・インターナショナルチームマネージャーを務めるエリック・ミンジンバ氏も「このダイナミックかつ、プロフェッショナルな組織とパートナーを組めることを喜ばしく思っている」とコメントしている。