2019年最初のF1インシーズンテストがバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催、4月3日に2日間にわたる日程が終了した。この日は10チーム15人のドライバーが走行、トップタイムをマークしたのはメルセデスに乗るジョージ・ラッセルだった。
テスト初日は雨に見舞われたものの、2日目は終日ドライコンディションとなり、各チームは作業の遅れを取り戻すために走行時間を最大限に活用して周回を重ねた。
ウイリアムズのレースドライバーであるラッセルは、この日はメルセデスからテストに参加。セッション終了間際にレーシングポイントのセルジオ・ペレスのタイムを破ってこの日のトップとなった。101周のなかでラッセルが記録した1分29秒029(C5タイヤ)は2日間総合の最速タイムでもある。
レーシングポイントは午前にランス・ストロール、午後にペレスを走らせた。ペレスは61周を走り、1分29秒095(C5タイヤ)で2番手、ストロールは35周を走行し1分30秒049(C5タイヤ)で8番手だった。レーシングポイントは序盤2戦に多数のニューパーツを持ち込んでおり、その評価を行う上で今回のテストはいい機会になったとチームは述べている。
3番手はフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。ミック・シューマッハーからマシンを引き継いでテストにあたったベッテルは、午前中に記録した1分29秒319(C3タイヤ)が自己ベストタイムとなった。103周走行するなかで、ベッテルはさまざまなセットアップを試し、タイヤの挙動を評価、「とてもポジティブなテスト」だったという感想を述べている。
マクラーレンは今回、ピレリの2020年用タイヤ開発テストにも協力し、2台を走らせた。初日に続き、3人のドライバーを起用。ランド・ノリスは夕方までチームのためのテストを行い、カルロス・サインツJr.は午前はタイヤテスト、セッション終盤70分にはチームのための作業に移った。午後のタイヤテストを担当したのは初日に続いてチームのアンバサダーであるフェルナンド・アロンソだった。
サインツは通常のテストで21周を走り、1分29秒715(C3タイヤ)で4番手。タイヤテストのためのマシンでは60周のなかで1分32秒269のタイムをマークし、16番手となった。ノリスは72周を走行し、1分31秒303(C2タイヤ)で13番手だった。アロンソは69周を走り、11番手にあたる1分31秒006を記録し、2日間にわたるテストを締めくくった。
トロロッソ・ホンダのマシンでピレリタイヤの開発テストを行ったダニール・クビアトは5番手だった。クビアトは111周を走行、プロトタイプタイヤで1分29秒911のタイムをマークした。
チームメイトのアレクサンダー・アルボンは通常のテストを行い、この日最多の143周を走りこみ、1分30秒037(C4タイヤ)で7番手となった。初日の雨で作業に遅れが出たため、2日目に精力的に作業に取り組み、有意義なテストになったとチームは振り返っている。
6番手となったのは、アルファロメオに乗ったミック・シューマッハー。初日にフェラーリでF1テストデビューを飾ったシューマッハーは、水曜にはアルファロメオC38をテストした。70周を走ったシューマッハーは、1分29秒998(C5タイヤ)で2日間にわたるF1テストを締めくくった。
レッドブルはジュニアドライバーのダニエル・ティクトゥムを起用。F1初テストの機会を得たティクトゥムは、135周とアルボンに次ぐ距離を走りこみ、1分30秒856(C4タイヤ)で9番手となった。F1マシンに乗る際の多数の手順を学ぶことから始め、多数のデータを集めることでチームに貢献できたとティクトゥムは走行後に語っている。
ハースは午前中はピエトロ・フィッティパルディ、午後にロマン・グロージャンを走らせた。グロージャンは87周を走るなかで1分30秒903(C4タイヤ)で10番手、フィッティパルディは48周を走行し、1分31秒209(C3タイヤ)で12番手となった。
ルノーとウイリアムズはそれぞれテスト2日目に若手ドライバーを起用した。F1レギュレーションにおいて、シーズン中のテスト4日間のなかで、各チームは最低2日はグランプリ参戦2戦以下のドライバーを起用しなければならないと定められている。
ルノーはFIA-F2ドライバーのジャック・エイトケンを起用した。エイトケンは103周を走り、1分31秒500(C4タイヤ)で14番手だった。ウイリアムズはテストおよびリザーブドライバーで、今年FIA-F2に参戦するニコラス・ラティフィによりFW42のテストを行った。ラティフィは100周を走行するなかで、1分32秒198(C4タイヤ)で15番手となった。
第2回F1インシーズンテストはスペインGP後の5月14日、15日に開催される予定となっている。