シャルル・ルクレールは日曜日のバーレーンGPで首位のセバスチャン・ベッテルをオーバーテイクする際に、細心の注意を払ったことを認めた。ルクレールはチームメイトのベッテルと”複雑な状況”にあることに十分に気づいていたのだ。
スタート時のライン取りに手間取ったルクレールは、ベッテルのみならず、メルセデスのバルテリ・ボッタスにも抜かれ、レースの最初の数周では彼らを追いかけることになった。
ルクレールはすぐさまボッタスに対して優位に立ち、チームメイトのベッテルに迫った。間もなくしてベッテルに追いついたルクレールは、無線で自信ありげに「僕の方が速いよ」と伝えた。
しかしながらルクレールは、フェラーリのピットウォールからあと2周の間その位置を維持するよう指示された。しかし6周目、ターン1前でDRSを完璧に使ってベッテルに迫ったルクレールはチャンスを掴んだが、誰と競い合っているかについては最低限の注意を払った。
「チームメイトとのバトルは常に複雑な状況だ。リスクはとても高いし、どのチームでもレース前に注意を受ける。他のドライバーと争うことはいいが、チームメイトの場合は注意するように、とね。それは普通のことだよ」とルクレールは語った。
「チームメイトとの戦いは常に、他のドライバーとの戦い以上のことなんだ」
「僕にはチャンスがあったから、躊躇しなかった。ただチャンスを掴みにいった。最初に追い抜きを仕掛けた時に成功したから嬉しかったよ。特に不出来なスタートの後のことだったからね。だから結果には満足している」
今にしてみれば、オーバーテイクの動きのタイミングは、ルクレールがチームオーダーを明らかに却下した形となったが、精神的にはバーレーンGPで勝利したとも言えるルクレールは、戦略の結果にしか関心を持っていない。
「チームには知らせていたよ」とルクレールは語った。
「『オーケー、あと2周はそのままで』と言われたと思う。でも次のストレートで追い抜くチャンスがあったから、追い抜きに出て、成功した。僕は速かったから、そのまま自分のレースをした」
レースの終わりはフェラーリの新スターであるルクレールにとって不完全なものとなったが、ルクレールはグランプリ初優勝を逃した辛い失望の先を見据えることを明言した。
「ああした形で首位の座を失うのはいつも残念だし、落胆させられる。でも僕はやるべきことがたくさんあったし、ポイント圏内にいた。だからすぐに自分のレースに集中し直したよ」
「トラブルのために優勝には手が届かなくなったけれど、まだ獲得すべき重要なポイントがあったんだ」