4月2日の「モーニングCROSS」(MX系)では、ヤフーMS総括本部マーケティング本部長の井上大輔氏が日本の労働生産性が低い原因を解説した。イギリスの政府統計局が算出したG7各国の労働生産性の割合によると「日本は圧倒的に最下位」だという。
4月から施行された働き方改革関連法案は労働時間短縮を目的とした施策が多いが、それだけでは労働生産性は上がらないと語った。(文:石川祐介)
何も決まらない会議を繰り返して労働生産性が上がるはずがない
G7の中で労働生産性が最も高かったのはドイツだ。ドイツの大手自動車メーカー「アウディ」に勤めていた経験のある井上氏は、日本とドイツの働き方の決定的な違いについて説明する。
「根本的には、(日本は)決断しない。特に上層部が決断をしないと何が起こるかというと、『会議をしよう』という話になる。会議をしても『このデータが足りないと決断できないから、これを調べてきてくれ』と言われて、資料を作り直してもう一度会議をする、みたいなことを繰り返していて、労働生産性が上がるはずがない」
日本は決断するスピードが非常に遅く、1つのことを決めるのに時間を必要以上に使ってしまうため、仕事が長引いてしまい労働生産性は上がらないという。
確かに、このような働き方が当たり前になっていると、どれだけ労働時間短縮を呼びかけても、質の高い働き方を実現することは難しい。
「外資は意思決定しない人は評価されない、出世できない」
そして、井上氏は迅速な意思決定をするためには、意思決定をする人を評価する文化を作る必要性を訴える。「意思決定力を社会全体で上げていかないと、根本的な働き方改革にはならない」というのだ。
「外資だと意思決定をしない人は評価されない。責任を取るリスクがあるけど、『意思決定をしないのはダメなリーダーだ』っていう文化が根づいているので、意思決定をしないと出世できない」
日本では挑戦して失敗した人に厳しい。結果ではなく挑戦したことを評価する文化が浸透していくと、労働生産性の向上に繋がるかもしれない。
ネットでは「会議が仕事だと思ってる人、多いね」、「責任回避の日本人のメンタリティーを変えなければ経済後進国に陥りそう」と意味のない会議が多いと嘆く人、現状を憂いる人の声が寄せられた。