2019年シーズンは加賀山就臣と渡辺一樹のラインアップで全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに挑むヨシムラスズキMOTULレーシング。開幕戦のもてぎに向け、オフシーズンテストではマシン作りを見直し、ベースアップを図ったという。
2007年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでヨシムラとともに優勝を果たした加賀山。2019年は9年ぶりにタッグを組んでJSB1000クラスへ挑む。加賀山がヨシムラから全日本ロードへフル参戦するのは今回が初となる。
「ファンのみなさんを含め、ビッグサプライズ的なチーム編成となったと思います。ヨシムラに復帰できたことはうれしいことです。プロのレーシングライダーとして頑張っていきたいし、トップチームとしてふさわしい成績を残していきたいです」と加賀山。
「ライバルのヤマハファクトリーやホンダファクトリーを倒すことは簡単なことではありませんが、ヨシムラとならそれを必ず達成できると信じています。ライバルが偉大なだけに、勝ちますと簡単には言えませんが、レースファンのみなさんがおもしろいと思えるレースはできると思います」
ヨシムラが使用するマシンは、フルモデルチェンジして3年目となるスズキGSX-R1000だ。2019年型のマシンは、新たなコンセプトや今までと違ったアプローチでマシン作りを見直しているとチームを率いる加藤陽平監督は語っている。
「2月に行ったセパンでのテストでは7仕様のエンジンを持っていき、基礎的な実験をメインにやっていました」と加藤監督。
「非常にポジティブところもエンジン側、車体側で出てきています。開幕戦のもてぎ、鈴鹿でどこまでてきるのか楽しみですし、レースでの結果を基に(マシンのポテンシャルを)上げていかなければと思います。まずは開幕戦から表彰台に登れるようにしたいです」
2019年からヨシムラのエースとなる加賀山も、2019年型スズキGSX-R1000には良いフィーリングを得てるようだ。加賀山は開幕前のテストについて次のように話す。
「去年、新型GSX-Rの理想的な成績を出せませんでした。なので、チームみんなでマシンを作り直そうということで、マレーシアでは基礎的な開発を行いました。1年間を通して良くするためには基礎の部分を上げていかないとアベレージで成績が出ないので、去年のデメリットはどこだったのかを探ったり、基礎となるエンジンや車体の部分で引き出しのパーツを増やしたりといった仕事を集中してやってきたつもりです」
「そういう基礎の結果が良いので、日本でも走行し始めてからはスムーズに来ています。ベースはマレーシアで固まってきました」
■問題となっていいた「コーナーの脱出部分」は解決の方向と渡辺
チームメイトの渡辺は、2018年シーズンはヨシムラ初加入ながら、第3戦、第4戦オートポリスではフロントロウに並ぶ走りを見せていたが、決勝レースではトップグループで戦うも、最高位は4位と表彰台に一歩届かないレースが続いた。
「セパンでの3日間のテストでは、様々なパーツを入れて試すという状況でした。なので、セッティングをまとめてタイムを出すというテストではなかったので、数字だけみるとまだまだ足りていない部分はありますが、良いポテンシャルもあったので、それをうまくまとめていきたいです」と渡辺はセパンテストを振り返り、マシンの現状を語る。
「マシン的な部分で言うと、コーナーの脱出部分でいくつか問題があるので、そこをエンジン特性の部分や、様々なパーツを試してるなかで、これならいけるんじゃないかというものが見つかっています。それが国内のサーキットでマッチングをさせたいと思います」
「去年は、一発のタイムではフロントロウに並ぶタイミングも何回かありましたし、レースでもトップを走ることもありました。スピード負けは現状で極端にしているわけではありません。トップで走れるポテンシャルはあるので、レースの後半で維持できるような車体づくりをしていきたいですね」
「バトルに弱いという状況はありませんが、タイヤのグリップに依存している部分が少しあったりするので、タイヤのグリップが落ちてきてもしっかり踏ん張れるバイクを作らないといけません」
「去年は開幕戦でつまずきましたが、今年は開幕戦から流れに乗りたいと思います」
全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは4月5日からツインリンクもてぎで開幕する。