4月2日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで、2019年第1回インシーズンテストがスタートした。マクラーレンとトロロッソ・ホンダはピレリタイヤのテストも担当、10チーム15人のドライバーが走行を行った。
午前セッション終盤から2回にわたり雨が降り、全チームが走行時間を4時間以上失い、最後の90分にようやく走行再開が可能なコンディションになった。
チームはそれぞれ事前にテストで使うタイヤの配分を選択する。雨が少ないバーレーンでのテストに向けてインターミディエイトあるいはウエットコンパウンドを選んだチームはなく、そのため、ウエットコンディションでは誰も走ることができなかった。照明を使用してセッション時間を延長することも検討されたが、結局は予定どおりの時間に終了、各チームは多くの周回を走ることなくこの日の作業を終えた。
この日最も注目を集めたのはフェラーリからテストに参加したミック・シューマッハー。7度のF1チャンピオンであるミハエルの息子ミックにとって最新F1マシンに乗るのはこの日が初めてだった。
SF90でミスなく周回を重ねたシューマッハーは、セッション残り約20分の時点でトップタイムをマーク。しかしその後、彼の1分29秒976(C5タイヤ)のタイムはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに破られ、2番手となった。シューマッハーは合計56周を走行、バーレーンGP決勝に近い距離を走り切った。
フェルスタッペンは合計62周を走行するなか、セッション終了約10分前に、シューマッハーのタイムを塗り替える1分29秒379(C3タイヤ)をマークし、この日のトップとなった。バーレーンGPでマシンの挙動に苦しんだフェルスタッペンは、問題解決のために空力テストを集中的に行った。
3番手に続いたのは、マクラーレンのランド・ノリスだった。マクラーレンは午前中にカルロス・サインツJr、午後にノリスを走らせた。一方、ピレリの2020年F1タイヤ開発テストのために2台目のマシンも用意し、昨年までレースドライバーを務めたフェルナンド・アロンソにステアリングを託した。
午前担当のサインツは32周のなかで1分32秒059(C2タイヤ)をマークし、9番手。午後のノリスは22周走り、1分30秒800(C3タイヤ)がベストタイムだった。MCL34に初めて乗ったアロンソは一日を通してタイヤテストに専念、64周を走行し、1分32秒207で11番手となった。
4番手はハースのロマン・グロージャン。雨の前にトップタイムを出していたグロージャンだが、その後、他車にタイムを塗り替えられた。42周を走ったグロージャンの自己ベストタイムは1分30秒982(C3タイヤ)だった。ハースは午後にはピエトロ・フィッティパルディを起用。フィッティパルディは20周のなかで1分32秒708(C3タイヤ)を記録し、12番手となった。
トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンが5番手。アルボンは71周を走り、周回数では2番手。ベストタイムは1分31秒089(C3タイヤ)だった。マクラーレン同様、トロロッソもピレリタイヤのテストを担当。ダニール・クビアトが追加のマシンでタイヤテストに取り組み、45周を走り1分33秒653で14番手だった。
この日最多周回を走りこんだのがメルセデスのルイス・ハミルトン。77周を走ったハミルトンは、タイムは1分31秒156(C3タイヤ)で6番手となった。
7番手にルノーのダニエル・リカルドが続いた。まだR.S.19を乗りこなせずにいるというリカルドだが、この日のテストでマシンに乗るたびに快適になっていき、ポジティブな感触を得たと語っている。リカルドは45周を走り、ベストタイムは1分31秒584(C4タイヤ)だった。
レーシングポイントのランス・ストロールが8番手。32周のなかで1分31秒964(C3タイヤ)をマークした後、ストロールはセッション終了直前にコース上でストップしている。
10番手はアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィだった。合計53周と、雨のために予定より少ない周回しか走れなかったジョビナッツィだが、この日のテストで新しい発見があり、次の中国GPが楽しみだと語っている。アルファロメオはテスト2日目にミック・シューマッハーを乗せることを決めている。
ウイリアムズは午前にジョージ・ラッセル、午後にロバート・クビサを走らせた。ラッセルは27周を走り、1分33秒682(C3タイヤ)で15番手、クビサは19周のなかで、1分33秒290(C3タイヤ)の自己ベストで13番手となった。低迷が続くウイリアムズはテストを有効に活用したいところだったが、「天候のせいで何のテストもできなかった」とクビサは嘆いている。ラッセルは2日目はメルセデスのテストを担当することが決まっている。
バーレーンでの合同テストは4月3日まで続けられる。