ラリーで世界を目指す若手ドライバーを育成する『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している勝田貴元が、3月28~21日にフランス・コルシカ島で行われたWRC世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルスのWRC2にフォード・フィエスタR5で参戦。クラス4位でフィニッシュした。
2019年シーズンのWRC初となる本格的なターマック(舗装路)イベントとして行われたツール・ド・コルス。険しい山岳地帯を舞台に争われ、曲がりくねった道が舞台となることから“1万コーナーのラリー”とも呼ばれている。
勝田は、これが2回目のツール・ド・コルス参戦だったものの、2019年大会は昨年比で75%近くのルートが新しくなっていたため、初めて走るステージも多い状況での戦いとなった。
そんな勝田はSS1~6が行われた競技初日をクラス9番手で走破。競技2日目は昨年と重なるステージも多かったため、ペースを上げてクラス5番手につける。
迎えた最終日はSS13~14の2SSだけの開催だったものの、勝田はさらにポジションをひとつあげ、4位でフィニッシュしてみせた。
「決して簡単なラリーではありませんでしたが、それでも非常に楽しめました。昨年はこのツール・ド・コルスとスペインでターマックのドライビングについて多くを学び、自分のパフォーマンスは以前よりも上がりました」と勝田。
「昨年と比べたら、ドライビングもペースノートも大きく進化していると思います。このラリーのステージはそれぞれキャラクターが大きく異なり、とてもトリッキーです」
「特にトリッキーなステージではあまり激しく攻めず、コースアウトしないような走りに徹する戦略でしたが、いくつかのステージでは良いタイムが出て、スピードを証明することができました。予め立てた戦略通りの走りができて満足しています」
「今回は経験を積むことを最重視して戦ったので、結果はあまり期待していませんでした。それだけに、4位でフィニッシュできて嬉しく思います」
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムのコーチを務めるユホ・ハンニネンは「大きなミスをすることもなく、速さもきちんと示した。昨年このラリーに初めて出場した時と比べると、多くを学び、大きく成長したことは明らか」と勝田の走りを評価している。
勝田が挑む次のイベントは4月25~28日に開催されるWRC第5戦アルゼンチン。南米を舞台に争われるグラベル(未舗装路)イベントだ。ちなみに、勝田がヨーロッパ圏外でのWRCに出場するのは、これが初めてとなる。