2019年04月02日 07:41 リアルサウンド
3月26日より、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』の応募者限定の先行体験版が解禁された。この記事では筆者が先行体験版をプレイしたうえで感じたインプレッションや、基本的なゲームシステムについてお伝えしたい。
(参考:スマホ版配信決定の『オクトパストラベラー』 なぜ傑作と言えるのか?)
■シングルプレイRPGだが、キャラはガチャで入手
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』はシングルプレイRPGで、対人要素やフレンドとの協力などといったソーシャル要素は存在しない。本作は基本的にはSwitch版『オクトパストラベラー』に近い、純粋なRPGとして作られている。
だが、本作がコンシューマーのRPGと異なるのは、パーティメンバーを加入させる手段がガチャであるという点。クエストクリア時などにもらえるルビーを消費して、プレイヤーは新しい旅の仲間を手に入れられる。
キャラのレア度が高くなければ進行に支障をきたすような難易度かと言われれば、少なくとも先行体験版で遊べる範囲ではそうではない。☆3のキャラクターだけのパーティでも育成してやれば問題なく遊ぶことができた。
■スマホに最適化された独自のUI
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』は、UI面でもアプリゲームの常識を覆すような試みを行っている。
たとえばキャラクターの移動操作は、現状存在する多くのゲームでは疑似スティックを使用するが、本作では1度スワイプするだけでキャラが自動で走るようになっている(そして、マップのデザインもスワイプ操作に最適化されている)。
また戦闘中のコマンド選択も一部スワイプ操作を求められる。このように本作は操作方法が他のアプリゲームと異なる部分が多く、慣れるまでは正直なところ遊びにくさを感じる場面もある。
だが、ある程度慣れてしまえれば本作で採用されているスワイプを多用する操作は、タップを連打しなければいけない従来のスマホゲームの操作性を上回る可能性がある。
■「富」「権力」「名声」という3つのストーリーの軸
Switch版『オクトパストラベラー』はRPGにしては珍しいほど重ため・暗めのストーリーが展開されることがひとつの特徴だったが、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』もまたストーリーに独特の影が差している。
本作ではゲーム開始時に「富」「権力」「名声」のどれかひとつのルートを選ぶことになるのだが、筆者は富ルートを選択してそのストーリーの重苦しさに驚愕した(選ばなかったルートも後からプレイ可能)。
生きるために麻薬らしき”粉”を売っている少女。その麻薬の売買を取り仕切る大富豪の魔女。魔女に飼われる奴隷たち。そして成り上がりを目論み魔女に近づこうとするマフィアの若者ーー。
これがRPGの第1章で語られるエピソードだとはとても思えない。だが、アンダーグラウンドな側面のあるストーリーは、プレイヤーを惹きつけてくれる。
ただし、一方で前述したように仲間キャラクターがガチャ入手でしか手に入らないという都合上、パーティメンバーはストーリーに対して能動的に関わることができない。そのため、主人公を含めた勇者一行はどうしても”事件に巻きこまれただけの人”に思えてしまう。
とはいえ、かの傑作RPG『ドラゴンクエスト3』もまた、パーティメンバーがほとんど喋らないゲームだ。仲間キャラクターの積極的なストーリーへの参加がなくとも十分すぎるほど本作のストーリーは魅力的である。
■“らしさ”を受け継ぎつつもスマホで遊びやすい良調整
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』は、基本的なシステムはSwitch版から受け継ぎつつ、スマホで遊びやすいようUI面・システム面のアップデートが施されている。
「スマホだからコンシューマーよりクオリティが低いのでは?」という心配は必要ない。もちろんスペックの関係でいくらかの制限は生じるが、現時点では本作は『オクトパストラベラー2』と考えても遜色ない出来になっている。
ガチャ要素やストーリー終盤の高難易度コンテンツなどのゲームバランスは現時点では判断しかねるが、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』は大いに期待が持てる注目アプリになりそうだ。
(脳間 寺院)