2019年F1第2戦バーレーンGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちが決勝日を振り返った。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=優勝
とても難しいレースで、すべての力を注いで戦わなければならなかった。今日僕らが1-2を達成できたのは、とてつもない幸運のおかげだ。週末を通してフェラーリの方が優れたパフォーマンスを発揮していた。
レースではライバルと真剣勝負をし、相手を抜き去りたいと思うものだ。それは自分の方が速いからだ。だから、今日は少し変な気分だった。
(トラブルでペースが落ちた)シャルル(・ルクレール)をバックストレートで追い抜いた時、手を上げて合図を送った。僕にはどうすることもできなかった。こんなシナリオで自分に運が向いたことが信じられない。
シャルルと同じように、トップを走っていながらマシンが止まった経験があるから、彼の気持ちはよく分かる。彼は週末を通して見事な仕事をした。今日の勝者としてふさわしい仕事をしたんだ。
彼には輝かしい未来がある。素晴らしいことがたくさんあるだろう。これから何度も勝つはずだ。
まだ今シーズンに入ってから2戦を消化したところだ。開幕戦では僕らが圧倒的に速かった。次の1戦ではフェラーリが優勢だった。今後のレースがどういう展開になるのか、予想できない。ただ、タフな戦いになるだろうことは分かる。レースによって、僕らが有利なこともあれば、彼らが有利なこともあるだろう。
今週末自分たちの悪かった部分を知り、マシンを改善するために、ハードワークに取り組んでいく。一方で、今日のレースから分かるように、信頼性もとても重要だ。だからあらゆるエリアを改善する必要があるんだ。今日稼いだポイントを堂々と受け取り、次の中国に臨む。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
楽なレースではなかった。マシンが本当に乗りづらかった。風が強く、難しいコンディションで、マシンの挙動が予測できなかった。
スタートをうまく決めて2番手に上がった。でも次のラップのターン1で風の影響を受けてポジションを失い、ルイス(・ハミルトン)とのバトルの末に4番手まで落ちた。
その後はほとんど単独走行で、誰にも出くわさなかった。でも見ていた人にとっては、今日は予想外のことがたくさん起こり、エキサイティングなレースだったんだろうね。
フェラーリは金曜からの強さを維持し、決勝でもものすごく速かった。でも今日は僕らに幸運が味方した。僕個人としては、大歓迎だよ。去年はあまりにも不運なシーズンだったからね。
とはいえ、今日の僕らの勝因はマシンの信頼性の高さであると言えるだろう。シャルル(・ルクレール)にとってはきついレースだっただろうね。でも、あれほど素晴らしい仕事ができたのだから、いずれ結果は出せるはずだ。
バーレーンでたくさんのポイントを稼いだ。同時に、中国に向けてたくさんの課題ができたのも事実だ。
■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
シャルル・ルクレール 決勝=3位
これもモータースポーツの一部だということは誰もが知っている。思いどおりにいかない日も時にはある。今日は僕らのための一日ではなかった。
レース終盤、パワーユニットにトラブルが発生して、ペースを落とさなければならなくなった。レースをコントロールできていたと思っていたのに残念だ。チームも僕もがっかりしている。でも今週末はポジティブな要素もたくさんあった。チームは素晴らしいマシンを用意してくれた。彼らの努力の賜物だ。すごく乗りやすくて、本当にいいマシンだった。
モータースポーツではこういうことが起きることもある。そのなかでベストの結果を出した。初めての表彰台を本当ならもっとエンジョイできるはずだった。それでも僕にとってF1で初の表彰台であることに変わりはない。これが人生だ。もっと強くなって次のレースに戻ってくるよ。
週末を通して強力だったのに、3位どまりだなんてがっかりだ。3位は僕らにふさわしい位置ではない。本当に不運だったけど、少しだけラッキーだったのは、セーフティカーが出たことだ。あれがなければ、もっと順位を落としていただろう。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=4位
今日は可能ななかで最大の結果を出したと思う。今回もたくさんのポイントを稼ぐことができた。強い風のなか、ペースが上がらず、リヤのグリップに苦しんでいたことを考えれば、4位は悪くない結果だ。スライドが多く、楽ではなかったが、その状態で何とか走るしかなかった。これ以上の結果を出すことは難しかったと思う。
マシンの力を限界まで絞り出して走った。オーストラリアではうまくいったが、ここではとても苦労した。
あと一歩で表彰台に上れるところだったが、上れたとしてもそれは運に恵まれたからに過ぎなかった。僕らには表彰台にふさわしい速さはなかったからね。
それよりもシャルルは(トラブルで勝利を失うなんて)本当についてなかったね。でも彼は少なくとも表彰台には上れたのだし、僕自身は4位にそれほどがっかりしてはいないよ。
マシンについて学ぶべきことがまだたくさんある。ここで起きたことをファクトリーで分析して理解し、次の中国では上位とのギャップを縮めることを目指すよ。今回は僕らのための週末ではなかった。
(表彰台を逃したことについて語り)セーフティカーが出動していなければ、シャルルを抜いていただろう。そうならなかったけれど、別にがっかりしてはいない。今日の僕らは表彰台にはふさわしくなかったからね。
マシンが横風の影響を受けて、常にオーバーステアだった。それでより一層苦労した。マシンバランスは最初からよくなかったしね。
(序盤のカルロス・サインツJr.とのバトルについて)ふたりともブレーキングを遅らせて、カルロスはアウト側に行こうとした。僕がそっちにいるとは思わなかったのだろう。今のF1マシンでは周囲が見えづらい。彼を避けようとしたが、ホイール同士がぶつかってしまった。ついてなかったよ。
■スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
セバスチャン・ベッテル 決勝=5位
望んでいたようなレースができなかった。僕らはポールポジションと2番グリッドからスタートしたのに、その位置でフィニッシュできなかったんだ。がっかりしている。
いいスタートを決めてトップに立ったが、1周目の半ばで、マシンがものすごく乗りづらいということに気付いた。シャルルは僕ほど苦労していなかったようだ。難なく僕を抜いていったからね。
ピットストップで2番手を失ったが、取り返した。ミディアムタイヤでのセカンドスティントは、レース序盤より多少よかったと思うが、それでも今日の僕らには、本来あるべきペースがなかった。
ルイス(・ハミルトン)とバトルしていた時に、僕はターン4でミスをした。あそこはこのコースのなかでも一番厄介なコーナーのひとつだ。突然コントロールを失い、スピンした。それによってタイヤをかなり傷めてしまい、ひどいバイブレーションが発生した。それがフロントウイングのトラブルにつながった。
今日はシャルルのレースだった。(パワーユニットのトラブルで勝利を逃したのは)本当に不運だったと思う。彼にとってもチームにとっても残念なことだ。
■マクラーレンF1チーム
ランド・ノリス 決勝=6位
初ポイントを獲得できて本当にうれしい。だけど、これはマクラーレンのポイントでもある。チームのみんなが、冬の間にハードワークを続けた末に手にした成果だ。
スタートは良かった。蹴り出しも最初の加速も良かったんだけど、その先で少しホイールスピンをさせてしまった。ターン1への進入では前をふさがれて、別のクルマのアウト側へ行ったところで接触があった。それでコース外へ逃げたために、いくつか順位を失ったんだ。
その後のペースはものすごく良くて、あっという間に前のクルマに追いついた。DRSトレインの中では少し苦戦を強いられたものの、前とのギャップが開いてDRS圏外になったドライバーは抜いてくることができた。最後のスティントはややペースが落ちたかもしれないが、何とかキミ(・ライコネン)の前にはとどまれた。僕の立場から言えば、6位入賞は十分にいい仕事だよ!
■アルファロメオ・レーシング
キミ・ライコネン 決勝=7位
いいレースだった。何度かバトルも楽しめた。レース中盤には風とタイヤが厄介な問題になり、少々トリッキーなところもあった。2回目のピットストップまでは、クルマのフィーリングも良かったよ。あらゆる部分がより確かになり、さらに進歩できるように、一歩ずつ進んでいきたい。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
ピエール・ガスリー 決勝=8位
難しいレースだった。まだこのマシンを気持ちよく走らせることができずにいるんだ。プッシュし始めると途端にリヤとトラクションに苦労する。このマシンから最大の力を引き出すために何を改善すればいいかを調べる必要がある。どうしたら僕がもっと自信を持って走れるのかを探るために、エンジニアたちと一緒に取り組んでいく。今の段階では、めいっぱいプッシュすることができずにいるからね。
努力して適応しなければならない。マシンはそれぞれ違うから、チームと協力し合って、僕のドライビングスタイルにもっとよく合うセットアップを探したい。
それでも全体的に見れば、今日のレースでポジティブな要素がいくつかあった。スタート直後はマシンの感触が今までより良かったし、ポイント圏内でフィニッシュすることができた。これから改善できるエリアを見つけさえすればうまくいくだろう。もっと強くなって中国GPに臨むため、できることは何でもやるつもりだ。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
アレクサンダー・アルボン 決勝=9位
忙しいレースだった。常に誰かとバトルをしていた気がする。1周目、ターン1への進入で少し慎重にいったため、あまりいいスタートにはならなかった。その後は集中して自分の仕事に取り組み続けた。いい戦略で走ったし、プライムタイヤでのペースはよかった。上位でリタイアが出たことで得をしたけれど、喜んでこのポジションを受け取るよ。
風が強くてマシンの動きが予測できず、厳しかった。それでもレースのなかで強さを発揮できたと思う。スタートだけが残念だったけどね。オーバーテイクするために前のマシンに近づくと、タイヤがオーバーヒートするから、追い抜きは楽ではない。それでも今日のレースは楽しかった。いい経験ができたと思う。
F1での初ポイントを獲得することができてものすごくうれしい。このペースを中国でも維持したい。
■スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=10位
今シーズン最初のポイントを獲れて良かった。予想外の出来事が多いレースだったから、この結果はうれしいサプライズとも言える。実際、ルノーが2台ともリタイアしたのは、僕らにとっては少々ラッキーだったが、それと同時にセーフティカーに行く手を阻まれた面もある。(アレクサンダー・)アルボンに迫りつつあったのに、彼を抜いて9位に入るチャンスが失われたからだ。
ものすごくいいスタートが決まって、いくつかポジションを稼いだにもかかわらず、その位置を守り続けることができなかった。その後、ブレーキのオーバーヒートに見舞われ、ブレーキダクトをふさいでいたデブリを取り除いてもらうために、予定よりはるかに早くピットに入らざるをえなくなった。レース中に起きたいろいろなことを考えれば、1ポイントを拾えたことに満足してもいいだろう。