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フェラーリ最新ワンオフモデル『P80/C』が初公開。488 GT3をベースに新スタイルを模索

2019年04月01日 17:21  AUTOSPORT web

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フェラーリが公開した最新ワンオフモデル『フェラーリP80/C』
フェラーリは3月25日、FIA-GT3カーのフェラーリ488 GT3をベースに新たに開発したワンオフモデル『フェラーリP80/C』を発表した。

 スーパーカーの代名詞のひとつであるフェラーリ。そのイタリアの老舗ブランドが送り出した1台限りのスペシャルカーは、同社のデザイン部門責任者フラビオ・マンツォーニの指揮の下、フェラーリスタリングセンターとエンジニアリングチーム、エアロダイナミクスチーム、そしてクライアントがともに手を取り合い、ユニークかつ真のソウルを持つ新しい“ヒーローカー”として生み出された跳ね馬の最新モデルだ。

 2015年にスタートした『P80/C』の開発プロジェクトは、これまでフェラーリが手がけてきたワンオフモデル製作のなかでも、もっとも長期に渡るものとなった。そうしたなかで生まれた同モデルのスタイリングは、クライアントの要望にあわせて330 P3/P4やディーノ206Sといった、フェラーリの象徴的ヒストリックモデルのデザインを現代のスポーツプロトタイプにインスパイアしたものとなっている。

 また、そのデザインのなかにはフェラーリスタリングセンターが目指す、エレガントなロードカーとしてのスタイルとトラックスポーツカーの野心的なデザインとが融合しているという。

 P80/Cはトラックカーでありその性能が重要な要素となる。そのため、設計チームはホイールベースが488 GTBと比べて50mm長くとられているフェラーリ488 GT3のシャシーをベースに選び、そこから新しいスタイリングとテクノロジー、エアロダイナミクスという複雑に絡み合った、すべて要素を保証するために必要な機能などが新たに導入されている。

 エクステリアデザインでは、跳ね馬のエンブレムが光る車両フロント部の側面図がくさび形となっている点に加えて、ヘッドライトユニットを廃してるのが特徴的だ。また、Cピラーの役目を果たす幅広のパッドレスは筋肉質な印象を強く与えるだけでなく、エアインテークを形作ると同時にルーフとリヤのエンジンカバーとの間の高低差を際立たせる。

 空力開発はベース車両となったフェラーリ488 GT3に基づいたものに。しかし、フロントスプリッターやボルテックスジェネレーターなどが残るものの、ワンオフモデルであるP80/CはFIA-GT3規定に準拠する必要がないため、2017年のF1マシンから着想を得たT字ウイングの採用をはじめ、ランニングギアが完全に視認できるまで開け放たれたリヤセクションなど、その多くは新型モデル固有のデザインとなっている。