新元号への期待感とは裏腹に、4月1日がやってきてしまったことに絶望感を覚えている人達がいる。新社会人だ。今日を境に「社会人」となり、言動の責任も学生時代より大きくなる。社会から大人の立ち振舞いが求められるようになるが、日付と共に本人の資質や能力、責任感が向上する訳はない。一方的に押し付けられた「社会人」の肩書きが最初は自分に釣り合わなくても、腹をくくって徐々に合わせていくしかないのだ。
5ちゃんねるでは3月「2019年新入社員だけどもう会社辞めたい人たち」というスレッドが立った。「まだ社会人にはなりたくない」と願う新社会人の悲痛の叫びが次々と寄せられた。(文:石川祐介)
「懲役40年の始まり」には「今の日本で懲役40年が安定的に続くわけない」とツッコミ
「引越の準備しながら考えたけど地元に就職すれば良かったと心底思う」
「入社辞退したい」「人生最期の休日」
晴れて新社会人となった若者たちからは、「ブラック確定してるから行きたくねえ」と嘆いている。多くの企業で入社式が行われている4月1日には「もう疲れた 辞めたい」という書き込みもあった。「初日から休んじまった」人は、
「俺は去年入社で歓迎会を風邪で休んだら次の日からひどいパワハラを受けて精神を病んだ」
という怖い体験談のようにならないよう願うばかりだ。
「懲役40年の始まりだ」と定年退職までの時間に慄く新社会人もいたが、「今の日本で懲役40年が安定的に続くわけねーだろ」というツッコミも入っていた。
現代は"人生100年時代"と呼ばれる。年金の支給開始時期の後ろ倒しも盛んに議論される昨今、数年後には、今よりも刑期が伸びているかもしれない。
「3年は続けろ」「すぐ辞める奴は他でも通用しない」などを真に受ける必要なし
いざ働き始めると面接時に聞いていた条件と全くかけ離れているケースがある。それでも、「3年は続けろ」「すぐ辞めるやつは他所に行っても通用しない」といった意見を鵜呑みにし、現状を渋々受け入れる人は多い。
続けることで初めて見えてくる仕事の面白さは存在するが、ストレスを長時間受け続けると、その状況から逃げようと思えなくなる「学習性無力感」に苛まれるトラップもある。これにかかると、「転職しよう」「辞めよう」という選択肢が取れなくなり、どんどんメンタルをすり減られてしまう。
新年度初日を終え、入社先がブラックだった新社会人には、「退職」や「転職」を念頭に置いたビジネスライフを送っていただきたい。