平成の次の元号が4月1日、「令和」に決定した。会見開始までに20万人を超える視聴者が集まった首相官邸のユーチューブでは、新元号が発表されるとチャット欄に「意外だ」「予想外」などのコメントが殺到した。
新元号「令和」は、最初の元号とされる「大化」から数え248番目。万葉集巻五に収められた「太宰帥大伴の卿の宅に宴してよめる梅の花の歌三十二首、また序」の冒頭、「時に初春の令月、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」から取られた。元号はこれまで漢籍から引用されていて、国書から取られたのは確認が可能な範囲で今回が初めてとなる。
事前に予想できた人はほぼゼロ 「安」の字も入らず
今年1月上旬に立てられた2ちゃんねるのスレッド「平成の次の元号は?」には11時42分に「令和」が書き込まれたが、発表後に書かれたもののようだ。3月29日に立った「新元号 4/1、11時半に発表。お前らの予想を書いていけ。万が一当てたら英雄として未来永劫ログに残るぞ!」でも、令和の字はなかった。
駐車場予約アプリ「akippa」の調査では1位が「和平」、2位が「永和」、3位「安寧」、4位「安永、安久」など、「安」が入るものが人気だった。他の調査でも「安」が含まれるという予想で多かったが、「安」の字は入らなかった。
安倍晋三首相は12時に開いた会見で新元号について「人々が美しく心折を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と明かした。約1200年前に編まれた万葉集は、「天皇や皇族貴族だけなく防人や農民まで、幅広い階層の人々が読んだ歌が収められ、日本の豊かな文化と長い伝統を象徴する国書」であるとして、
「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、明日への希望と共に、それぞれの花を大きく咲かせることが出来る、そうした日本でありたいという願いを込め令和に決定しました」
と述べている。
11時30分から開かれる予定だった菅官房長官の会見は、約10分押して始まったことから、首相官邸のユーチューブには「もう新元号は遅刻でいい」「新元号は遅延」「遅刻大国」などのコメントも見られた。また、ネットでは「LとRどっちだろう」「R18年生まれになるの?」といった心配も出ていた。