2019年のWRC世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルスは3月31日、競技最終日となるSS13~14が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9位、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合10位と全車がトップ10入りを果たしたものの、2019年シーズンで初めて表彰台を逃す結果となった。
2019年シーズン初の本格的なターマック(舗装路)イベントとして行われたツール・ド・コルス。ポイントリーダーとして臨んだタナクは前日のホイール破損により総合6番手で競技最終日に臨んだ。
前を走るテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)とは20秒以上のギャップがあったこともあり、タナクはポジションを守る戦略にシフト。それでも31.85kmのSS13でステージ2位、ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS14もステージ2位に入る力走をみせた。
ポイントランキングでは、総合6位の8ポイントとパワーステージのボーナス4ポイントを合わせて12ポイントを獲得。優勝したティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合2位のセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)に交わされたものの、トップと5ポイント差の3位に留まっている。
競技初日にタイヤトラブルなどから大きく順位を落としていたミークは、総合9番手で競技最終日へ。ミークはパワーステージでトップタイムを記録することを念頭に、SS13ではタイヤをセーブして17位に終わる。
最終SS14では全開アタックを敢行し、ステージ2位のタナクを4.4秒引き離す圧倒的な速さでトップタイムを記録し、ボーナスポイント5ポイントを手にしてみせた。
総合10番手で臨んだラトバラはSS13で6位。SS14ではボーナスポイント獲得に0.3秒届かず6位に終わったものの、総合10位でのフィニッシュとなった。
チーム代表のトミ・マキネンは「パワーステージは本日のメインターゲットだったが、クリスとオットは共に素晴らしい走りでトップ2タイムを記録し、クリスは最大ポイントを獲得した。我々のクルマの舗装路での速さを証明できたと思うし、今週末のポジティブな材料になった」とコメントしている。
「本当ならば良い結果を得られたはずだが、それを阻むことになった問題についてこれから調査を行い、そこから多くを学びたいと思う」
「選手権争いは依然僅差だから、次の(第5戦)アルゼンチンと(第6戦)チリに自信を持って臨みたい」
トヨタ陣営最上位となる総合6位につけたタナクは「我々には十分なパフォーマンスがあったし、今年のツール・ド・コルスを楽しむことができたから、全体的には良いイベントだったと思う」と大会を総括している。
「もちろん最終結果には満足できないけど、数年前までこのラリーはまったく楽しむことができなかったことを考えると、今や正しいペースと良いリズムで走れるようになったから、その点については嬉しく思う」
パワーステージでトップタイムを記録したミークは「本当はこのようなやり方は好きではなく、優勝争いをしたかったけど、ライバルとタイム差が大きくついていたから、朝の最初のステージではタイヤを温存することにした」と悔しさをにじませた。
2019年シーズンは苦戦が続いているラトバラは「週末を通して自分には速さがなかったから、ただクルマをフィニッシュに導くことを重視して走った」としている。
2019年のWRC第5戦は4月25~28日に行われるラリー・アルゼンチン。3月上旬に行われた第3戦メキシコに続く、今シーズン2度目のグラベル(未舗装路)イベントだ。
また、その2週間後の5月10~12日には同じく南米のチリで第6戦が行われ、WRCは南米グラベルラリー連戦を迎えることになる。