2019年のWRC世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルスは3月31日、SS13~14で争われる競技最終日が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が優勝。ヒュンダイに2019年シーズン初優勝をもたらした。
地中海のコルシカ島を舞台にシーズン初の本格的なターマック(舗装路)イベントとして争われたツール・ド・コルス。競技最終日は今大会で2番目に長い47.18kmのSS13、ボーナスポイントが与えられるパワーステージで19.34kmのSS14の2SSで争われた。
総合首位のヌービルと総合2番手エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が4.5秒差で迎えた優勝争いは、SS13でエバンスがステージ2位のオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)より8.8秒、ヌービルより16秒も速いペースで走りきりステージ優勝。11.5秒の大量リードを築いて最終SSへ向かうことになった。
2017年以来となる自身2度目の総合優勝へ大きく近づいたエバンスだったが、最終ステージのSS14走行中に右フロントタイヤがパンク。全開でプッシュすることができず、ステージトップから1分30秒近く遅れてフィニッシュすることになった。
この結果、ヌービルが再逆転で2019年シーズン初優勝を手にすることに。総合2位はセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)、エバンスは総合3位でのフィニッシュとなっている。
ヌービルは「エバンスに起きたことは残念だけど、この結果は嬉しいよ。最後まで諦めなかったことが報われた」と喜びを語った。
優勝セレモニー終了後、エバンスは「受け入れるのは難しいけど、起きてしまったことだ。こういったことが起きるのもモータースポーツだよ」とコメントしている。
「パンクしたあとも可能な限りロスを少なくしようとしたけど無理だった。結果的に表彰台へ上がることはできたけど、自分が望んでいた形ではないね」
トヨタ陣営はオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9位、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合10位で、全車がトップ10入りを果たしたものの、2019年シーズン初めて表彰台に手が届かなかった。
ポイントランキングでは優勝したヌービルが82ポイントでトップに浮上。オジエが80ポイントで2位、タナクが77ポイントで3位につけた。マニュファクチャラーズランキングでも、トヨタは首位から後退。ヒュンダイが114ポイントでトップ、シトロエンが102ポイント、トヨタが98ポイントで続く格好となった。
2019年のWRC第5戦は4月25~28日に行われるラリー・アルゼンチンだ。