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平成30年間のヒットドラマ、もっとも多く主題歌を務めたアーティストは? 上位150作を調査

2019年03月31日 11:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 5月1日から改元されるため、平成も残りわずかとなった。新元号に向けての準備に余念がない方もいるかと思うが、今回はそんな平成にまつわる音楽データを見ていきたい。


(関連:ドラマ『3年A組』と主題歌「生きる」に共通する、“優しさ”や“温かさ”の構造


 平成30年間でたくさんの音楽が流行ったが、その中でも特に広まり、歌われたのは「テレビドラマの主題歌」だったと思う。


 十年以上前の曲でも、毎週見ていたドラマの曲は今でもすぐに歌えるし、カラオケの定番曲として未だに紹介されることも珍しくない。


 しかし、主題歌は何かと“曲”が紹介されがちで、アーティストの紹介は置き去りになることも多い。もともとのアーティストファンからすると「あのテレビの曲の人でしょ」と言われてしまって歯がゆい思いをすることもある。今回はそんな音楽ファンの思いに答えるべく、主題歌の中でも特に“アーティスト”に着目して調べていきたい。


 なお、今回対象としたのは平成元年からの30年間で、特に平均視聴率が高かったテレビドラマ上位150本の主題歌である。本題に関係ないのでドラマの方のランキングは割愛したが、上位150本のうち約60%はフジテレビ制作のものだった。(ちなみに1位はTBSの『半沢直樹』である)


 では、まずは平成30年間で「最もヒットドラマの主題歌を務めたアーティストが誰なのか」を見てみよう。


1位 中島みゆき:6本
2位 織田裕二 DREAMS COME TRUE:5本
3位 宇多田ヒカル 中山美穂 Superfly:4本
4位 サザンオールスターズ CHAGE and ASKA Mr.Children SMAP:3本


 1位に輝いたのは中島みゆき。主題歌を務めたドラマのうち、6本が視聴率20%以上を記録しており、『家なき子』(日本テレビ系/1994年)の主題歌「空と君のあいだに」や、比較的最近だと『Dr.コトー診療所』シリーズ(フジテレビ系・2003年~)主題歌「銀の龍の背に乗って」などがよく知られたところだろう。


 また、2位につけたのは〈Somebody tonight〉で知られる織田裕二。『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)の主題歌「Love Somebody」をはじめ主演作で主題歌を歌っていることが多く、しかもそれが軒並み記録的にヒットするという、まさに“平成の申し子”のような俳優・アーティストである。


 さらに、その織田裕二と並んでヒットドラマの主題歌を歌っているのがDREAMS COME TRUEだ。2003年『砂の器』(TBS系・2003年)の主題歌「やさしいキスをして」から、『愛していると言ってくれ』(TBS系・1995年)の「LOVE LOVE LOVE」まで、ミステリーやラブストーリーなど作品の題材を問わず幅広く主題歌として使われているのがさすがである。


 また、3位以下も納得のアーティストが並んでいるが、特に注目したいのが、唯一アイドルグループとしてランクインしているSMAPだ。惜しくも解散してしまった彼らだが、まさに“平成”を代表するアイドルであったことが伺える。


 今回はさらに上位にランクインした中で、特に担当したドラマの平均視聴率が高かったアーティストを調べてみた。


1位 CHAGE and ASKA 30.03%
2位 宇多田ヒカル 27.93%
3位 サザンオールスターズ 26.63%
4位 DREAMS COME TRUE 26.28%
5位 中島みゆき 25.68%


 1位は『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系・1991年)、『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系・1993年)などの主題歌を務めたCHAGE and ASKA。こちらも残念ながら現在活動休止となっているが、まさに平成を代表するポップスグループのひとつだったと言えるだろう。


 また、2位は松嶋菜々子、滝沢秀明W主演ドラマ『魔女の条件』(TBS系・1999年)の主題歌で名を馳せた宇多田ヒカル。『魔女の条件』以外にも木村拓哉主演『HERO』第1期(フジテレビ系・2001年)など数多くのヒットドラマの主題歌を歌っていた。


 そして宇多田ヒカルに続いて、高い平均視聴率を獲得して3位につけたのがサザンオールスターズだ。『ずっとあなたが好きだった』(TBS系・1992年)『透明人間』(日本テレビ系・1996年)など、90年代に一世を風靡したドラマでのタイアップが多かったのが印象的だ。


 時代とともにリアルタイム視聴だけでなく、録画や配信などでの“追っかけ再生”も増えているため、一概に「視聴率が高い=人気」とは言えない時代になりつつあるが、今年4月30日で終わりをむかえる平成を思い返すときの参考になれば幸いである。(まいしろ)