「マウンティング」という言葉を耳にするようになってどれくらい経つだろうか。他者を見下す行為は昔からあったが、行為を端的に示す言葉が広まったせいか、誰かを見下す人が目につくことが増えたように思う。
3月14日のガールズちゃんねるでは「この人私のことを下に見てたんだなと思ったこと。」というトピックが立ち、見下された経験を持つ人の声が多数寄せられた。トピ主はある試験に合格した際、不合格だった友人から「えー!なんで〇〇ちゃんが合格してるの?!」 と言われショックを受けたという。(文:石川祐介)
「お菓子作りをしたら、市販の物を瓶詰めしたの?と言われた」
彼氏の写真を見せてほしいとせがまれ渋々見せたところ「なんでイケメンと付き合えたの?」と言われた人、お菓子作りをしたら「市販のを瓶詰めしたの?ってさらっと言われた」という人など、見下されたエピソードはバラエティに富んでいる。マウンティングは場面を問わずどこでも起こりうるのだ。
年齡で接し方を露骨に変える人もいる。年齢も入社歴も特に変わらない同僚から、なぜか上から目線な態度で接せられていた人は、「実際は同い年で私の年齢を知った途端、態度が変わった」 と綴っていた。
他にも、
「団地に住んでいると言ったら鼻で笑われたことがありました その人は一軒家に住んでいます」
「彼氏の写真を見せてと言われたので見せたら、『えっ……何で◯◯ちゃんがイケメンと付き合えたの?』と言った 慌てて訂正してたけど遅いよ、めっちゃ目が本気だったわ」
などのコメントが寄せられていた。あからさまな見下しを経験している人は多いようだ。
自分が直接見下されるのではなく、関係者をディスることで間接的な見下しを受けるケースもある。特に多かったのが彼氏ディスりだ。知人から真顔で「〇〇(私)ちゃんの彼氏の話聞いてるとダメな男だなーって思う」「私の彼氏の方が立派。この間もこういうことがあって……」と言われたという体験談からは、自分に近しい人が優れていれば自分も優れていることになる、というのはよくある誤解だが、それに気づかず他人を見下す姿はなんとも痛々しい。
他者を見下して得られる安心感は中毒性がある。しかし、マウンティングは羨望の裏返しとも言える。受けた場合は「この人は余裕が無いんだな」と受け流すことが健全だし、自分が見下した時には、本当は何を羨ましく感じているのか、一呼吸置いて自己理解を深めたい。