メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンのF1外での多くの活動に注意を払ってはいるが、現世界チャンピオンの彼が充実した人生を送ることを阻むつもりはないという。
ハミルトンのグランプリレース以外のスケジュールは、順調に続いているトミーヒルフィガーとのファッション界でのコラボレーションや、新たに熱中しているサーフィンやスカイダイビング、スーパーバイクのテスト参加といったことで忙しくなっている。
昨年、ハミルトンのスーパーバイクテストへの入れ込みようは、ウォルフの背筋を凍らせた。幸運にも怪我はなかったが、ハミルトンはヘレスでの走行中に転倒したのだ。
ハミルトンは最近スカイダイビングにスリルを求めているが、そのことがウォルフの不安を鎮めることはない。だがウォルフはハミルトンの人生への情熱を抑え込むつもりはないという。
「もちろん私は常に心配している。昨年は大笑いすることになったよ。なぜなら私は彼とチーフストラテジスト、それにレースエンジニアのひとりを掌握できておらず、彼らがヘレスでバイクを走らせていることに気づいたのだ。そして誰も私からの電話を取ろうとはしなかった!」とウォルフは語った。
「彼らは少し申し訳なさそうにしていた。だがルイスはもう18歳や19歳というわけではない。彼は5度の世界チャンピオンなのだ。彼は何が自分のためになって、何がそうはならないかということをはっきりと分かっている」
「私の経験から言えば、こうした活動のすべては悪い意味で気をそらすものではない。彼はこうしたことをするのを楽しんでいるのだ」
「スポーツなどの活動の一部は単なる趣味だろうし、ファッションビジネスのように、より情熱を注いでいるものもあるだろう。だが彼はモーターレースから離れる機会を持つたびに、強くなって戻ってくる」
ウォルフはハミルトンを束縛することに意味はないと分かっている。F1のスターであるハミルトンを個人として突き動かすエネルギーやパッションというものを、ウォルフは受け入れているのだ。
「我々は批判的になってはいけない。ある人たちはインドの瞑想セミナーへ行く。ある人たちはスカイダイビングをする。ある人たちは女性との出会いを求める。すべての人たちの有り方を受け入れようではないか」とウォルフは付け加えた。
「彼のやっていることは認められているし、彼はF1で最高のドライバーのひとりであることを証明してきているのだ」