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スーパーフォーミュラのルーキー、坪井とパロウのSF19の印象。「恐ろしく速いマシン」

2019年03月29日 11:51  AUTOSPORT web

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2019年スーパーフォーミュラルーキーのアレックス・パロウと坪井翔
3月27日、スーパーフォーミュラの2019年シーズン開幕を前に、富士スピードウェイで行われた公式合同テストで、ファンを交え公開記者会見が行われた。会見には、スーパーフォーミュラ参戦初年度の坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が出席し今シーズンの目標を語った。

 2018年に全日本F3選手権のチャンピオンを獲得している坪井。3月初旬に鈴鹿で行われた第1回公式合同テストと今回の富士でのテストの感触を聞かれ、スーパーフォーミュラのマシン、SF19の印象を語った。

「今年からスーパーフォーミュラに参戦するということで、トップカテゴリーまできました。正直最初に鈴鹿を走った印象は、恐ろしく速いマシンだなと感じました。最初は目もついていかないし、なにより首がもたなかったです。富士ですら100Rはすごかったです」と坪井。

「スーパーフォーミュラに関しては、マシンが速いので慣れるのが最初大変です。鈴鹿の(テストでの)最後のアタックくらいでようやく感触をつかむことができましたが、ただトップとのタイム差は結構ありました」

「タイヤの状況がいろいろありますが、今回富士に入って(初日午後に)トップタイムを出したりとか、徐々にいい感じで仕上がってきているのかなという手ごたえは少しずつ感じています」

 坪井は、2019年シーズンにスーパーフォーミュラとスーパーGT GT500クラスに参戦する。将来的にどのようなドライバーを目指しているか質問されこう答えた。

「速いドライバーになりたいですよね。去年F3であのような(19戦17勝)勝ち方をして、周りは自分が思っているより期待してくれてますけど、プレッシャーになっちゃうのでそこまで期待しないでほしいです(笑)」

「ただいい形でやっとスーパーフォーミュラというカテゴリーに来れました。ここで結果を残せば日本のトップのドライバーとして走れているという証拠になると思います。ただF3とかでチャンピオンを獲ってきた人たちが集まってる世界なので、そんなに簡単には勝てないと思いますが、そこでしっかり勝ち、ドライバーとしてどれだけ速くなれるかということが課題だと思っています」と今シーズンの意気込みも語った。

「なんとか速さを出していき、一年目ですけどセルモという良いチームに入れ、ルーキーとはいえ結果を求められるシーズンになってくると思うので、しっかりそこは戦っていきたいなと思います」

■シリーズ初参戦のパロウ「まず鈴鹿を狙いたい」と初戦での勝利に意欲

 一方で、2017年に全日本F3選手権、昨年はFIAヨーロピアンF3選手権を戦ったパロウもスーパーフォーミュラの印象を語ったが、テストでの感触に満足しているようだ。

「鈴鹿から振り返ると、マシンはすごく調子が良かったと思っている。僕にとっては新しいカテゴリーだけど、このマシンをとても楽しんで運転させてもらっている」とパロウ。

「SF14と比較すると、SF19はパワフルで素晴らしく、デザインも良いので感謝の気持ちがあるよ。サーキットを比較すると、鈴鹿は速いコーナーが多い。富士はスローコーナーが多くて心配していたが、比較的悪くなく昨日は結果が良くて満足した」

「ソフトタイヤで走って悪くないなと思ったし、かなり楽しませてもらっていて満足してるところがたくさんあるよ」

 スーパーフォーミュラでの目標については「僕にとって素晴らしいチャンピオンシップだと思っている。良いチームで恵まれているし、もちろん第一の目標は良いリザルトをたくさん獲得することだ」と以下のように語る。

「どういうドライバーになりたいかというと、それはもちろん勝てて、成功するドライバーだ。だけど日本ではそれは簡単ではないと思っている。スーパーフォーミュラのグリッドの半分はスーパーGTだったりF3のチャンピオンやたくさんレースに勝ってる選手が集まっているからね」

「だからレベルが高いよね。そのなかで僕も戦わないといけないが、目標としては一番でなければいけないし、すごく良いチャンスだと思うので、このスーパーフォーミュラに参戦することを頑張りたいと思っている」

「マシンはとても良いからベストを尽くしたい。もちろんチャンピオンを目指すが、まずはレースに勝つことが大事だ。開幕戦は鈴鹿だけど、僕たちのマシンセッティングは鈴鹿に合っているので、まず鈴鹿を狙いたい」

 スーパーフォーミュラというトップカテゴリーに参戦することとなったルーキーのふたりがアドバイスを貰っているのは誰なのか。そんな質問に対してこう答えた。

 坪井は「ここまでくると誰もアドバイスしてくれないですね。蹴落とされる側です(笑)」と笑いを誘ったが、やはりチームメイトの石浦宏明の存在は大きいようだ。

「でも僕は幸いなことにも、チームメイトに石浦さんというチャンピオン経験者がいるので、スーパーフォーミュラのレースの仕方だったりは聞けば教えてくれます。頼りがいのある先輩がチームにいるので聞いていますよ」

 パロウは「日本に来る前にはいろんな人からアドバイスがあったが、必ず各チームにアドバイスしてくれる人がいる。僕の場合は中嶋悟監督が素晴らしいアドバイスをたくさんくれます。僕が緊張している時は『リラックスしてよ、これは普通だから大丈夫だよ』と言ってくださるので心強いね」と答えた。

「それとチームメイトの牧野選手。僕たちはルーキー同士なので、そのあたりは簡単じゃないけどね。先輩からのアドバイスが得られないから、お互いから学ぶしかないところがあるが、あとはレースを経験してそこから習得するところが増えてくるだろう」

 2019年は7名のルーキーが参戦するスーパーフォーミュラ。ルーキーとベテランの戦いも見どころになりそうだ。