BasicIncome社は3月27日、自らベーシックインカムを集めることができるクラウドファンディングプラットフォーム「ベーシックインカムシネマズ」をリリースした。
参加者は毎月20万円の現金を受け取るかわりに、自身の日常の生活を撮影されドキュメンタリー映画化される。視聴者側は興味のある候補者に1000円支援する。240万円集まれば撮影が開始、支援した人に公開される。成立しなければ返金される。
同社の池内慶代表は、「リリース後、1時間で約100人からの応募がありました。1000人くらいまで募集して、その中からさまざまなタイプな人を参加者として採用しようと思います」という。
「お金と時間があればやりたいことをするのか、行動するのか、何もせず終わるのか」
ドキュメンタリーは全16話で、1話25~30分程度。撮影は基本的に、参加者とカメラマンのマンツーマンで行われる。内容については「企画を考える必要はありませんし、応募者に条件も課しません。その代わり、その人の日常を撮ります」という。
池内代表は、今の世の中について、仕事に生きがいを感じている人は多いものの、明日突然仕事がなくなったり、将来AIに仕事を取られるかもしれない、といった不安もあると指摘。今回の「ベーシックインカムシネマズ」を通して、参加者に「本当の生きがい」を探してもらいたいという。
ただ、生きがいは「暇じゃないと見つけられない」と語る。池内代表自身かつて、週6日、運送会社で働いていた経験があり、当時を「たった1日の休日も仕事のことを考えてしまって、余裕がありませんでした」と振り返る。
「もしかしたらこのサービスのおかげで、例えばギターを買ったりライブ開催したりして音楽の才能が開花する人もいるかもしれません。一方、ベーシックインカムをもらいながら仕事を続けて20万円を貯金に回したり人もいると思う。それでもいいんです。人はお金と時間があればやりたいことをするのか、やりたいことを見つけて行動するのか、それとも何もせずに終わるのかが知りたいです。結果、1年間何もせずにゴロゴロしていたという人がいても面白いですよね」
その上で、「あまりに暇だと何かやりたくなるものです。参加者も暇すぎて、何かを始めて、そこから起業に至る人も出てくるんじゃないかと思います」と語っていた。