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『ひよっこ2』は若手役者たちの成長の見せ場に 竹内涼真=島谷純一郎が語った“自分の原点”

2019年03月28日 18:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 3月27日に放送されたNHKのスペシャルドラマ『ひよっこ2』の第3回で、ある人物が大物になって登場し話題になっている。佐賀の製薬会社の元御曹司、そして現社長の島谷純一郎(竹内涼真)だ。


 かつて、木造アパート「あかね荘」に住んでいた島谷。みね子(有村架純)が道でばらまいた小銭を探す様子を観察してから、本人に探し方のダメだしをするという登場の仕方で、第一印象も良いものではなく、冷静沈着とした物言いでみね子を戸惑わせていた。しかし、島谷と接していくうちにみね子の感情は変わっていき、島谷もみね子のことをいつも心配するように……2人の関係は恋人へと発展していった。


【写真】http://www.realsound.jp/movie/2019/03/post-338161.html


 だが、2人には切ない別れが訪れる。実家の経営難から縁談を勧められた島谷は、親との縁を切り、みね子を選ぼうとした。だが、島谷に親不孝な行為をさせたくないと、みね子は別れを告げる。「ありがとう、素敵な人。好きになれてよかった」。島谷は、プロポーズのために婚約指輪を忍ばせており、その日はみね子が20歳の誕生日を迎える夜だった。この哀しい別れにネット上では「切ない」との声が溢れていた。


 これまで『ひよっこ2』では、奥茨城母の会や乙女寮の同窓会で顔を見せ、そして集まったメンバーの会話の中で懐かしの人々が話題に上がり、たくさんの登場人物の姿を見ることができていた。そんな島谷の登場は、アパートの管理人・富さん(白石加代子)が観ていたテレビ画面から。社長として立派になった島谷はインタビューに答えており、あかね荘に暮らしていた時代を「一番勉強になった」と振り返っていた。


 「そこでいろいろなこと教わったんですよ。うん。ほんとに世の中いろんな人がいてそれぞれみんな違ってて。みんな違ってみんな正しいんですよね」という島谷のセリフの合間には、あかね荘で暮らしていた頃の回想シーンが挟まれていく。“自称”25歳の“オフィスレディー”として働く・早苗(シシド・カフカ)、漫画家コンビの啓輔(岡山天音)&裕二(浅香航大)、そしてみね子、島谷。みんなの個性はバラバラで初めの頃のちょっとした衝突はあったが、徐々にお互いを理解し合っていった。


 「そこで経験したことが自分の原点みたいなところありますね。あの……ものを考える時のね。うん。アパートの人たちはどう思うのかなって。それが今に生きてるんだと思います」。島谷を演じる竹内は、本作以降、様々なドラマで要役を演じ、今や若手きっての大スターだ。当時はオーディションを経て出演していた若手役者たちは放送後、めまぐるしい活躍を遂げている。澄子演じる松本穂香はドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)で主演、啓輔演じる岡山もドラマ・映画に引っ張りだこの状況。島谷のこの言葉は、竹内自身が、俳優としての糧になった『ひよっこ』に対しての想いとリンクする場面でもあったように感じた。


 富さんはがテレビに映る島谷を見て「このアパートに住むとね、みんな幸せになるのよ」とにっこり呟いた。早苗も初恋の男性・片岡龍二(古市コータロー)と共にサンフランシスコへ旅立ち、漫画家コンビもヒット作を生み出してた。今、あかね荘にはみね子&ヒデ(磯村勇斗)、新しい住居人である澄子&豊子(藤野涼子)が暮らしている。彼らもまた幸せを手に入れ、このアパートを去っていく日がくると思うとちょっと寂しいが、その時は私たち視聴者も彼らの門出を笑顔で送り出したい。


(大和田茉椰)