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TOYOTA GAZOO Racing 2019年NASCAR第6戦マーティンズビル レースレポート

2019年03月28日 17:41  AUTOSPORT web

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デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第6戦マーティンズビル
3台のカイル・ブッシュがトップ10フィニッシュ

 シリーズ最短“ペーパークリップ”の愛称を持つショートオーバル、マーティンズビルで行われたカップ・シリーズ戦で、ハンドリングに苦しみながらも健闘を見せたカイル・ブッシュが3位、デニー・ハムリンが5位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が8位でカイル・ブッシュは3台がトップ10フィニッシュ。トラック・シリーズではカイル・ブッシュが勝利を挙げて3連勝。トヨタ・タンドラは開幕4連勝を飾りました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第6戦 STP 500
開催日:3月24日

3台のカイル・ブッシュがトップ10フィニッシュ

 3月24日(日)、アメリカ東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第6戦STP 500が開催されました。

 NASCARはアメリカ西部の3連戦を終え、東部へと戻ってきました。第6戦の舞台マーティンズビルは、シリーズ史上最短となる1周0.526マイル(約850m)のショートオーバル。

 バンク角が小さく比較的フラットなマーティンズビルはロードコースのヘアピンを2つのストレートで結んだような形状をしており、ペーパークリップの愛称で呼ばれています。平均速度は低いですが、スロットル全開からのフルブレーキングを繰り返す、車両にもドライバーにも厳しいコースです。
 
 年間2戦行われ、秋の大会はプレーオフ(年間チャンピオン決定戦)の1戦でもある重要なコース。ここではショートオーバルを得意とするデニー・ハムリンが過去5勝、カイル・ブッシュが2勝を挙げています。
 
 カイル・ブッシュは今大会が記念すべきカップ・シリーズ出場1000レース目。目下カップ・シリーズ戦で2連勝中、前日に同コースで行われたトラック戦でも新記録となるNASCAR通算201勝目を挙げたカイル・ブッシュの快進撃が続くかどうかにも注目が集まりました。

 24日(日)午後2時10分、0.526マイルショートオーバルを130周、130周、240周の3ステージ合計500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
 
 トヨタ勢最上位の5番手からスタートを切ったハムリンが序盤上位争いを展開。後方では、14番手スタートのカイル・ブッシュが徐々に順位を上げ、ステージ1はハムリンが4位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が8位、カイル・ブッシュが9位。

 ステージ2は序盤のイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)のあとは大きな動きのないまま淡々と周回が重ねられていきましたが、カイル・ブッシュはハンドリングに苦しみ後半ポジションダウン。ステージ2はハムリンが3位、トゥルーエクス・Jr.が5位。カイル・ブッシュは12位に終わりました。

 ここまでトヨタ勢を引っ張り、トップ5圏内での走行を続けてきたハムリンでしたが、ステージ3開始前のイエローコーションでピットへ向かった際、ピット作業のミスにより痛恨のペナルティ。20位へと順位を落としてしまいました。

 ステージ3は、ピットのたびに調整を続けてきたカイル・ブッシュが速さを取り戻し上位へ浮上。トゥルーエクス・Jr.もかわしトップ5圏内へ。一方、トップ10を伺う位置で走行していたエリック・ジョーンズは340周目に他車との接触でフェンダーを破損しピットイン。修復に時間がかかり、大きく後退。

 終盤、カイル・ブッシュは激しい2位争いを展開。3位以下を大きく引き離し、トップ3台が1秒以内に入るバトルを繰り広げ、3位でチェッカー。自身1000戦目での勝利、シリーズ3連勝はなりませんでしたが、今季開幕からの6戦、全レーストップ6位内でのフィニッシュを唯一続けています。

 ペナルティで順位を落としながらも速さを見せ追い上げたハムリンが5位。トゥルーエクス・Jr.が8位でチェッカーを受け、カイル・ブッシュは3台がトップ10フィニッシュを果たしました。

 次戦第7戦は3月31日(日)、アメリカ南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われます。

ドライバー カイル・ブッシュ
「今日の調子から考えると予想よりも良い結果だと思います。レース中盤、我々は12位あたりを走行していましたが、最終的にここまで追い上げることができました」

「後半、素晴らしい調整を施してくれたクルーチーフやピットクルーに感謝します。彼らのハードワークで、我々のカイル・ブッシュは最後は上位を争えるまでに調子を上げることができました」

NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第4戦 TruNorth Global 250
開催日:3月23日

カイル・ブッシュ3連勝で
NASCAR通算201勝目達成

 NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第4戦TruNorth Global 250が3月23日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催されました。

 3週間ぶりの開催となったトラック・シリーズ。ここまでの3戦中2戦を制しているカイル・ブッシュが今大会もスポット参戦。また、18歳コンビのシリーズレギュラー、トッド・ギリランドとハリソン・バートンに加え、18歳になったばかりのタイラー・アンクラムと17歳のデレック・クラウスが今季初出場。また、17歳のカナダ人ドライバー、ラファエル・レサールがトラック・シリーズにデビューするなど、多くの若手ドライバーがトヨタ・タンドラで今大会に臨みました。

 23日(土)午後2時16分、0.526マイル(約850m)ショートオーバルを70周、70周、110周の3ステージ合計250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手からスタートを切ったカイル・ブッシュが9周目に首位に立つとそのままステージ1を制しました。3番手スタートのトッド・ギリランドが4位。開幕戦で勝利を挙げているオースティン・ヒルが8位。レサールが10位で、デビュー戦で早くもステージポイントを獲得しました。
 
 ステージ2は後半にイエローコーションが出され、ピット戦略が分かれました。カイル・ブッシュらはピットへ向かいましたが、数台がコース上に残ったためポジションが入れ替わり、ステージ2はカイル・ブッシュが3位、ハリソン・バートンが6位、ヒルが8位、トッド・ギリランドが10位。

 ステージを3番手で再スタートしたカイル・ブッシュは終盤へ向けタイヤを温存しながらもじりじりとポジションを上げ、180周目に首位を奪還。その後、終盤戦はイエローコーションが多発する荒れた展開となりましたが、カイル・ブッシュは再スタートを着実に決めて首位をキープ。

 最後はファイナルラップに後方でクラッシュが発生したために順位はその時点で凍結されてイエローコーションのままチェッカー。カイル・ブッシュがシリーズ3連勝を飾りました。カイル・ブッシュはこの勝利で、自身が持つNASCARトップ3カテゴリーでの合計勝利数を単独首位となる201へと伸ばすこととなりました。また、トヨタ・タンドラは今季開幕からの4戦全勝を続けています。

 他のトヨタ・タンドラ勢は終盤連発したコーションで苦戦し、ハリソン・バートンの11位が最上位。今大会デビュー戦となった17歳、レサールは首位と同一周回の14位で完走を果たしました。

 次戦第5戦は3月29日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催されます。

ドライバー カイル・ブッシュ
「この週末、チームは本当に大変な仕事をこなしてくれました。コースに車両を持ち込んだ時点では望んだとおりの状況ではなく、週末を通して調整を続けてきました」

「ここマーティンズビルでは、レースを通してコーナーリングの安定性が重要です。我々も苦戦しましたし、ライバルが苦戦しているのも見ました。そんな中で我々は最後までタイヤをもたせて、ライバルを抑えきって勝てたのはチームのおかげです」