女性ドライバーのみで争われるフォーミュラシリーズ『Wシリーズ』の最終選考結果が発表され、シリーズ初年度に参戦する18名のラインアップがアナウンスされた。日本人として唯一、最終選考に進んだ小山美姫もレギュラーシートを獲得している。
Wシリーズは元F1ドライバーのデイビッド・クルサードや、レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイといった著名なF1関係者がサポートする、女性ドライバーの育成・支援を目的としたシリーズで、DTMドイツ・ツーリングカー選手権と併催される形で行われる。
総勢28名のドライバーが挑んだ最終選考は3月23~28日のうち、4日間に渡ってスペインのアルメリア・サーキットで行われ、トライアウト期間中、彼女たちは合計で3000ラップをこなしたという。
最終選考ではWシリーズのキャサリン・ボンド・ムーアCEOやボードチェアマンを務めるクルサードが教官を務め、走りはもちろん、エンジニアやメカニックとのコミュニケーション能力、フィジカルなども評価の対象となった。
その結果、シリーズに参戦するドライバー18名、リザーブドライバーを務めるドライバー4名の合計22名が選出された。13カ国のドライバーで構成されるレギュラー18名のなかには、唯一の日本人として最終選考に臨んでいた小山も含まれている。
「本当に僅差だったから、想像していたよりも難しい審査になった」とクルサード。
「彼女たちの学習スピードは特筆すべきもので、シングルシーターでの経験が豊富でない我々にとって、これは速さよりも重要な要素だった」
「プロドライバーになれるのはほんの一握りだが、今回のプロセスに参加したドライバーたちは全員、どんな形であれ、プロとしてのキャリアを積んでいくことを願っている」
「その願いをかなえるための一歩を踏み出すことができた。Wシリーズに関わるすべての人は、シリーズをスタートさせられることを誇りに感じるだろうね」
またシリーズは、F1やWEC、DTMなどに参戦するチームをサポートしているプーマ・モータースポーツとのパートナーシップも発表。シリーズに参戦するドライバーたちがプーマ製レーシングスーツに身を包むことも発表している。
シリーズの開幕戦は5月3~4日、ドイツ・ホッケンハイムで行われる予定で、それに先駆け、4月14~16日にはドイツ・ラウジッツリンクでテストセッションが行われる予定だ。