ホンダが、アシックスと公式ウェアパートナー契約を結んだことは、既報のとおりだ(3月18日「アシックスジャパンとホンダF1がパートナー契約を締結。ウエアやシューズの提供へ」)。
マクラーレンとパートナーを組んでいたときは、マクラーレンと同じウェアを着用していたホンダだが、2018年からホンダはデサントが供給するウエアをホンダF1用のウェアとして着用していた。
しかし、2018年のホンダは1チーム供給ということもあり、シーズン途中からはホンダのスタッフがトロロッソと同じウェアを着る光景がしばしば見られた。
しかし、今年はトロロッソだけでなく、レッドブルにもパワーユニット(PU/エンジン)を供給することになり、ホンダはスタッフがどのウェアを着るのかを、明確に区分しなければならなくなった。レッドブルで仕事するスタッフはレッドブルのウェアを着用し、トロロッソで仕事するスタッフはトロロッソのウェアを着ることとなった。
ホンダの山本雅史モータースポーツ部長や田辺豊治F1テクニカルディレクターのように、レッドブル、トロロッソの両方をサポートする立場のスタッフは、ホンダのウェアを着ることとなった。
この新しいアシックス製のウエアには、ホンダのこだわりがふたつあった。ひとつはテクニカルパートナーのIHIが加わったこと。ホンダはターボなどの技術に関して、これまでもIHIとともに仕事をしてきたが、技術関係を強化するために、昨年末にあえて契約の締結を発表。より一体感を持つことでIHIスタッフの指揮を高める狙いがあるものと考えられる。そのIHIのロゴが今年のホンダのウェアには右腕にしっかりと入っている。
もうひとつのこだわりは、ホンダのウェアの胸にはパワーユニットを供給している2チームのロゴが入っている。左胸がトロロッソで、右胸がレッドブルだ。このうち、レッドブルのロゴは本来のロゴではない。レッドブルのメインスポンサーである『アストンマーティン』のロゴがない。それは自動車メーカーであるホンダのウェアに、別の自動車メーカーのロゴが入るのは好ましくないからだ。
チームのロゴからメインスポンサーのロゴを外すことは、異例中の異例。ここからも、いかにレッドブルにとってホンダが重要なパートナーであるかがわかる。