東京商工リサーチによると、2018年の人手不足に関連する倒産は前年比22.0%増の387件だった。2013年の調査開始以降最多記録で、日本の人手不足は深刻度を増していることがわかる。
普通に生活している中でも「日本って本当に人手不足なんだな」と感じさせるシチュエーションは以前よりも増えている。3月24日のガールズちゃんねるでは、「人手不足を実感してる?してない?」というスレッドが立っていた。(文:石川祐介)
調理、接客、電話対応、バイト面接をワンオペで
やはり、飲食店で人手不足を感じることは多く、「飲食店勤務だけど、ひしひしと人手不足を感じるよ!特に土日祝!お客様で満席なのにスタッフ不足で呼び出しボタン鳴りまくり」とスタッフが全く足りないためにサービスの質が下がったという意見が散見された。
大手の飲食チェーン店に行ったら、ちょうど従業員がワンオペ中で、「調理、接客、持ち帰り、電話対応、あげくの果てにバイトの面接までやってた。確実に人手不足」という書き込みも。
賃金を上げなければ人手を確保できない。薄利多売の低価格帯の飲食店は人手不足に陥り、質の高いサービスを提供できなくなるだろう。
ほかには、交通インフラでも人手不足を実感した、という声もあった。
「うちの最寄りの路線バス、運転手さんが足りないとかで、4月から大幅減便になるよ。終バスが30分も早くなってしまって、こちらも死活問題です」
終バスを逃すとタクシーで帰宅せざるを得なくなり出費がかさむ。利用者としては、終バスの料金を多少上げてもいいから、なんとか人員を確保して深夜運行を続けてもらいたいところだろう。
「人手不足は外国人で補填」は根本的解決にはならない
様々なシーンで影響が出ている人手不足ではあるが、「店側は人件費削減の事しか考えていないので人不足という認識はないと思います」と現場の声に耳を貸す企業は少数派なのかもしれない。
「まさに工場勤務ですが実感してます。他の工場視察いったときも半分くらいベトナム人だった」
4月から改正入管法が施行されるため、「人手不足は外国人で補填しよう」と楽観的に考えている企業も多いのだろう。しかし、理不尽かつ低待遇な労働環境では外国人も働き続けられない。労働環境を見直さないことには人手不足解消はありえないだろう。