ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)と小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG) 27日、スーパーフォーミュラの2019年シーズン開幕を前に、富士スピードウェイで行われた公式合同テストで、ファンを交え公開記者会見が行われ、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)とハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)が出席した。今季の目標を語るとともに質問に答えファンを楽しませた。
数々のフォーミュラレースを経験している可夢偉とニューウェイ。2019年シーズンから、スーパーフォーミュラに導入された新型シャシーSF19の感触とチーム体制について聞かれ以下のように語った。
「チーム体制を強化していただき、新しいエンジニア、監督に松田次生さんに入っていただき、チームとしては今年なんとしても良い結果を残したいという気持ちです」と可夢偉。
「SF19になって実質3日目のテストが終わり、4日目に入って、今日がレース前最後の段階なんですけど、チームと一緒にいろいろと、できるだけたくさんのデータをとっています」
「第1戦の鈴鹿では、特に今日の富士の路面温度でのセッティングデータを有効活用できるものがあれば使いますが、実際このパフォーマンスがそのまま鈴鹿に反映されるわけでもないと思うので、鈴鹿に行ったときに自分たちがどうすればいいかというのを正しい判断ができるようなテストをいろいろして、できるだけこの新しいマシンの理解を深めようということをコンセプトにテストしています」
今回の富士でのテストで、ダウンフォースが増えた新型シャシーSF19で、富士スピードウェイの100R(4コーナー)を全開で走行できることも明かした。
「チームとしては一丸となってやっているので、これがどう結果に繋がるかわからないですけど、いい面もあれば悪い面もあります。多分この車自体は去年に比べるとだいぶダウンフォースが増えていて、実際ニューのソフトタイヤで100Rを全開でいけたんですけど、ちょっと速すぎないかなって正直思うんですよね。そのくらい速いので、いろいろ簡単ではないですが、なんとか良いマシンを作って開幕戦に気持ちよく挑めるようにしたいなと思います」
「(SF19になり)逆に難しくなったかなって思います。これだけ赤旗が出るのも珍しいですからね。正直難しくなったっていうのは思うことです」
今年スーパーフォーミュラ初参戦となるニューウェイも「マシンの印象は関心できるような素晴らしいものだと思う。僕が今まで運転してきたマシンのなかで、これほどダウンフォースがあるマシンはなかったので驚いている」とダウンフォースについて語る。
「セッティングはいろいろ試したい。良いところもあればこれは良くないなというところもあるから、テストはいろんなものを試した。そしていずれ鈴鹿の開幕戦に行くから、それまでに一番ベストなセッティングを探していきたいという風に考えている」
「個人的に今年の目標はチャンピオンシップの何位という具体的なものはないが、大勢の素晴らしい経験豊富な選手のなかでベストなポジションにつきたいと思っている」
また、これまで数々の優れたF1マシンを生み出してきたエイドリアン・ニューウェイを父に持つハリソン・ニューウェイ。昨年のルーキーテストで父が訪問した際どのようなアドバイスを受けたかについて答えた。
「父は鈴鹿が好きで、久しぶりに鈴鹿に来たいということで訪問し、フォーミュラカーが好きだからマシンを見たりしていた。でもお父さんとして『楽しんできて』、『頑張って』くらいしか言わないよ」
「もともと父はレーシングドライバーではないので、アドバイスすることはなかったけど、エンジニアには何か話をしたかもしれないね」
最後に、スーパーフォーミュラ参戦5年目の可夢偉がルーキーのニューウェイにアドバイスを送った。
アジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)の富士戦で2度優勝しており、最高の思い出があるというニューウェイに対し「サーキットだったら、鈴鹿はゲームでよく走るサーキットでもあるし、富士はアジアンルマンで2勝したと言っていたが、このスーパーフォーミュラ、なんと、“魔のSUGO”があります」と可夢偉は笑いを誘った。
「一周1分以下でフルレースが80周(実際は68周)くらいあるんです。飽きるぞー(笑)。気が遠くなってくるから」
「10ラップ行ったらもうお腹いっぱいだぞっていう(笑)。(レースの時は)だいたい半分くらい行くと残り何周やろって見るんですけど、SUGOの場合は10周くらいで飽きてくるから残り70周って見たら心折れそうになります」
それに対してニューウェイは「30ラップ走ったらいいやっていうサーキットがあるけどそういうことだろうね。楽しみだよ」と返した。