"売り手市場"と言われ、多くの職種で求人ニーズが高まっている。しかし、現在の職場に不満があるにも関わらず、転職活動などの具体的なアクションを起こさない人も多い。
キャリコネニュース編集部では、口コミサイト「キャリコネ」に集まったユーザーの声やインタビュー等を通して"転職できない人"をタイプ別にキャラクター化してみることに。前回の「デモデモダッテさん」に続き、「箱入り新卒さん」タイプを紹介しよう。
職場のルールは"社会"のルール? 「箱入り新卒さん」の生態
「箱入り娘」ならぬ「箱入り新卒」さんは、文字通りひとつの会社しか知らず、比較対象がない。転勤で地元を離れていたり、仕事に追われて友人との接点が減っていたりする人が多いのも特徴的だ。
そのため、自分がブラック企業に入社してしまったことに気付いていないことも。新入社員時代の"まっさら"な状態から、上司や先輩社員からの教育・お説教が刷り込まれてしまっているのだ。
仕事がつらくて「辞めたい」と思うことが多々あっても、
「仕事が大変なのは当たり前だ。みんな通った道」
「給料が上がらないのはスキル不足のせいだ」
「転職したってどこも一緒だし、成功する人なんてわずか」
といった言葉を聞き続けていると、真面目な人ほど会社ではなく自分を責めるだろう。
社員が限界に近づくと、辞めさせないように褒めてギリギリのところでつなぎとめる会社もある。たまに優しくされることで、社員は"洗脳"されやすくなってしまうのだ。
残業は当たり前、休暇が取れない、達成が難しいノルマを課される……といった職場は明らかにブラック。しかし、箱入り新卒さんはそのような職場しか知らないため、つらいと思いながらも箱から出ようとせず、耐え続けてしまっている。
箱入り新卒さんの転職は勇気が必要 まずは第三者に相談を
残念なことに、成果主義とは名ばかりで社員を長年低い給与で働かせる企業や、違法な労働環境をさも「普通」かのように社員に信じ込ませる企業も存在する。ただでさえ人生がかかっている転職は勇気がいるものだが、箱入り新卒さんはアクションを起こそうという気力も湧きづらくなっており、場合によっては心身を壊しかねない。
まずは親族・友人はもちろん、転職エージェント、労働基準監督署・労働局など、社外の相談できそうな人に包み隠さず悩みを話してみよう。偏った意見に左右されないように、複数の人に相談してみるのもいい。第三者のちょっとした一言で"うちの会社って普通じゃないんだ"と気づく人も多いものだ。