タレントのマツコ・デラックスさんが3月25日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で「働き方改革によって生じる無賃労働」について苦言を呈した。
政府が進める働き方改革は、この4月から罰則規定のある残業規制が始まる。多くの企業で働き方が大きく変わるとされており、番組では同日の日本経済新聞が特集した「働き方改革が職場の雰囲気や給料にどう影響するのか」の記事を紹介していた。(文:okei)
「だってそうしないとギャーギャーギャーギャー労基がうるさいからさ」
番組はこれを元に「この4月からあなたの働き方は変わりますか?変わりませんか?」を視聴者へ生投票を募集。マツコさんはどうか聞かれると、「私はもう、何も変わらないですよね個人的には」と気のない調子で口を開いた。
ふかわりょうさんが「4月というと番組改編とか色々ありますけども、スタッフの動きとかどうでしょう?」と聞くと、マツコさんは「ADは増やしてるわよね」とコメント。
株式トレーダーの若林史江さんが「ほんとだ、すごいいっぱい」と呟いたことで、番組のスタジオにもいつもよりたくさんのADがいることがうかがえた。働き方改革で残業ができないため、人数を増やすことで対応しているようだ。
この状況にマツコさんは、「ただ、ディレクターだったりプロデューサーだったりは、残業がつかない無賃労働をいっぱいすることになるんだと思うよ」と苦笑い。
「だってそうしないとギャーギャーギャーギャー労基がうるさいからさ。みんな表に出さない労働をいっぱいやるはめになるわけじゃない。だからやっぱりその辺をちゃんとケアしてあげないと、働きたくて働いてる人は、『じゃあ働きたいんだったらそこら辺はもう無賃労働でお願いしますね』っていうのはどうかなと思うんだよね」
と、苦言を呈した。確かに、長時間労働を是正するための改革のはずだが、マツコさんの言うように形ばかりで余計に負担を増やす危険性もある。
あえて「サービス残業」と言わず、「無賃労働」と強調
マツコさんは、「サービス残業」という言葉は使わず、あえて重い口調で「無賃労働」と何度も言い切っていた。生活残業代を稼いでいた人にとっては死活問題だが、働きすぎも規制しなくてはならず難しい問題だ。
ただ、番組プロデューサーたちの働き方は、マツコさんから見ていかにも無理があるのだろう。指摘はもっともである。なお、投票の結果は、「変わる」が2748ポイント、「変わらない」が8949ptと変わらない人が圧倒多数だった。