TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.1 PROFESSIONAL Series
近藤翼がPPを獲得するも惜しくも2位でレースを終える
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2019年03月23日(土)~2019年03月24日(日)
日本のトップドライバーたちが覇を競うプロフェッショナルシリーズ。昨年は#1谷口信輝が3度目のシリーズチャンピオンを獲得した。それに対抗するライバルたちは体制を立て直し、テストを経て、チャレンジングなシーズンインを迎えた。
ブリヂストン装着車勢では、レーススケジュールの関係で佐々木雅弘と蒲生尚弥が欠場。しかし今シーズン、スーパーGT500クラスへのステップアップを果たした#18中山雄一が新たに参入するなど、白熱したバトルを予感させる空気が鈴鹿サーキットの緊張感を高めていた。
●予選
今シーズンから新たに導入された1大会2ヒート制。この開幕戦では適用されていないが、次戦からは1大会2ヒートを1セットのタイヤで戦う、というレース構成になる。タイヤのパフォーマンスのなかで、耐久性も重要になってくる。タイヤメーカーとの契約がない選手は、各社のタイヤを実戦でチェックするという戦略もあり、タイヤ選択もまた大きな要素となった。
予選開始直後にコースインしたマシンがタイムを記録していくなか、昨年からの3連勝を狙っていた#10菅波冬悟選手(DL)がスプーン立ち上がりでストップ。ガス欠症状によるものでエンジンを再始動できず、予選は赤旗中断となってしまう。
このレースウイーク、トップタイム争いは2分29秒台が予想されていた。スポーツ走行枠でのテストでは、何台もが2分29秒台を記録していたからだ。予選再開後、そこにいち早く到達したのは#98近藤翼選手(ブリヂストン)だった。#206松本武士選手(DL)も続いたが、近藤選手のタイムには届かない。その2人がフロントロウを獲得。3位には自ら新チームを立ち上げた#11脇阪寿一選手(DL)が入った。
ブリヂストン装着車勢は、ポールポジションの近藤選手の他、若手#7堤優威選手が久々の上位で4位、クラブマンシリーズからステップアップした#25水谷大介選手が6位と、3台がトップ10入りした。
●決勝レース
スタートからの伸びが悪かったポールポジションの近藤を、予選2位の松本が1コーナーで制する。堤は脇阪をオーバーテイクし、3位へと浮上する。しかしその直後、S字の進入で#97小河諒(DL)が他車との接触でスピン、さらにダンロップコーナーでは2台が絡みコースサイドでストップし、セーフティカーが導入される。3周目に再スタートとなり、松本、近藤、堤、脇阪の4台がトップグループを形成。激しい攻防を繰り広げていく。
そうしたなかでタイヤのタレの差があり、ブリヂストンを装着する近藤と堤の2人は周回が進むほどにレースペースが優位になっていき、4位脇阪とのその差は大きくなっていく。1位松本との差を詰めていくが松本も簡単にはポジションを譲らない。鈴鹿サーキットは小さなラップタイムの差ではオーバーテイクは難しい。0秒2以下という真後ろに近藤と堤が迫るなか、絶妙なブロックで行く手を阻む。
結果、松本が初優勝を獲得。2016年最終戦以来の優勝を狙っていた近藤は2位。3位には昨年優勝したSUGO以来の表彰台に堤選手が上がった。ブリヂストン装着車勢は、近藤、堤の他に、7位に水谷、10位に#87久保凜太郎が入った。
3位表彰台を獲得した#7堤優威選手のコメント
「昨日の予選の順位が良くなかったので、それが決勝レースに影響してしまいました。やっぱり予選結果は重要ですね」
「トップの選手がペースに苦しんでいたのはわかっていたのですが、後ろからのプレッシャーもあって、なかなか仕掛けることはできませんでした」
「2番手の近藤翼選手とボクのタイヤはブリヂストンだったので、トップの選手よりはペースに余裕があったんですけど、抜くチャンスはなかったですね」
TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.1 CLUBMAN Series EXPERT
86レースデビューの鶴賀義幸が見事な走りで3位表彰台を獲得
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2019年03月24日(日)~2019年03月24日(日)
エキスパートクラスは、クラブマンシリーズの上位選手を対象としたクラスとなる。過去にシリーズランキング10位以内の選手はエキスパート指定となる他、それら上位選手と戦いたい選手がそこに加わる形だ。結果として31名のクラブマン上位ドライバーが集結したのだが、しかし顔ぶれには変化が見られた。
●予選
ベテラン神谷が真っ先にコースインし、先頭でタイムアタックに入る。そのタイムは2分31秒464。神谷に続いた選手たちは2分32秒台半ばで、およそ1秒以上もの差があった。自らの走りに自信もあり、良い感触だった神谷選手は、2度目のタイムアタックをせずにアタックを終了。
しかし予選後半、若手#305水野大(DL)が、わずか1000分の2秒神谷を上回るタイムをマークしポールポジションを奪ってみせた。3位にもやはり若手の#610大島和也(DL)が入り、顔を見せないベテランドライバーに対して世代交代を促すかのような予選結果となった。
ブリヂストン装着車勢は、5位に86レース初参戦となる若手#56鶴賀義幸、エキスパート指定のベテラン#760岩本佳之が6位など、トップ10のうち5台を占めた。
●決勝レース
フロントロウの2台はそれほど良いスタートを決めたわけではなかったが比較すれば神谷のほうが前へ出ることができ、イン側となる1コーナーでトップに立った。その背後、大島が1コーナーで#29松沢隆弘(DL)と接触してスピン。コース復帰したS字の進入でブレーキをロックさせてクラッシュ。レースはセーフティカーが導入された。
4周目に再スタートとなり、神谷と水野のトップ争い、岩本と鶴賀の3位争いという、ベテランVS若手というバトルが展開されていく。その4周目、シケインの進入で鶴賀が3位へ。続く5周目の1コーナーでは水野がトップに立つ。つまりベテランを若手が刺した形だ。
予選で、不運な黄旗によってベストタイムが抹消された#703花里祐弥(ブリヂストン)は18位スタートに沈んだが決勝レースではそこから速さを生かしてポジションアップし、最終的に6位でフィニッシュした。
先頭グループの順位は、その後ポジションを入れ換えることはなく、若手・水野選手が初優勝に輝く。2位にベテラン神谷、3位には鶴賀となった。ブリヂストン装着車勢は、3位の鶴賀の他、4位岩本、6位花里、8位#30北見洸太、9位に#808木下智裕と、5台がトップ10入りを果たした。
●決勝レース
フロントロウの2台はそれほど良いスタートを決めたわけではなかったが比較すれば神谷のほうが前へ出ることができ、イン側となる1コーナーでトップに立った。その背後、大島が1コーナーで#29松沢隆弘(DL)と接触してスピン。コース復帰したS字の進入でブレーキをロックさせてクラッシュ。レースはセーフティカーが導入された。
4周目に再スタートとなり、神谷と水野のトップ争い、岩本と鶴賀の3位争いという、ベテランVS若手というバトルが展開されていく。その4周目、シケインの進入で鶴賀が3位へ。続く5周目の1コーナーでは水野がトップに立つ。つまりベテランを若手が刺した形だ。
予選で、不運な黄旗によってベストタイムが抹消された#703花里祐弥(ブリヂストン)は18位スタートに沈んだが決勝レースではそこから速さを生かしてポジションアップし、最終的に6位でフィニッシュした。
先頭グループの順位は、その後ポジションを入れ換えることはなく、若手・水野選手が初優勝に輝く。2位にベテラン神谷、3位には鶴賀となった。ブリヂストン装着車勢は、3位の鶴賀の他、4位岩本、6位花里、8位#30北見洸太、9位に#808木下智裕と、5台がトップ10入りを果たした。
TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.1 CLUBMAN Series OPEN
混戦を制してカローラ名古屋の湯川祐太朗がレース初優勝を飾る
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2019年03月23日(土)~2019年03月24日(日)
7年目のシーズンを迎えたGR 86/BRZ Race。今シーズンからクラブマンシリーズがエキスパートとオープンの2つのクラスに分割された。オープンクラスはビギナーを中心とした入門用クラスいうことになり2015~2018年にクラブマンシリーズで年間ランキングトップ10入賞ドライバーは参加できない、純粋なクラブマンレーサーのみを対象にしたエントリークラスである。エントリー台数は38台と大盛況であった。
●予選
気温2度、路面温度8度というコンディションのなか、最初にアタックに入ったなかでトップタイムをマークしたのは#559岡田整(YH)。2分32秒573というタイムは、クラブマンシリーズのコースレコードを更新するタイム。2位には#20石塚弘晃(YH)、3位は#708久保直也(DL)が入った。ブリヂストン装着車勢は、4位に#759湯川祐太朗、6位に#758安藤正明など、トップ10に5台が入った。
●決勝レース
スタート前のレギュレーション違反によって3位の久保が失格。まさに波瀾の幕開けとなった。ポールポジションの岡田はクリーンなスタートを決めてトップを守ったが、しかし2周目、130Rで石塚にオーバーテイクを許してしまう。だがその直後、3周目にプロペラシャフトが破損して石塚がストップ、そのままリタイアとなる。
トップに返り咲いた岡田に、今度は湯川が迫り、4周目のデグナー進入でトップに立った。86/BRZレースでレースデビューし、参戦6戦目という若手ながら、湯川はトップを安定したペースで快走。見事、初勝利を獲得した。
2位争いは、岡田、#40志賀俊方(DL)、そして湯川のチームメイト安藤の激しい攻防となった。7周目の130Rで岡田に並びかけた志賀がコースオフ、直後のシケインで安藤が岡田のアウト側に並んだが、シケインをショートカットしてしまい、2番手でチェッカーを受けたものの、30秒加算のペナルティを受けて10位。2位は志賀、3位に岡田という顔ぶれとなった。
初優勝を飾った#759湯川祐太朗選手のコメント
「3番手からのスタートになったのですが、1台がトラブルでストップして、岡田選手とのバトルになりました。岡田選手のシフトミスもあって、うまくオーバーテイクすることができました」
「その後は、リラックスした状態でいい緊張感を持って、比較的ペースも安定した状態でレースができました。タイヤは多少タレはありましたけど、グリップを見極めながら、うまく走らせることができたと思います」