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この将棋には”ターンがない” Nintendo Switch専用ソフト『リアルタイムバトル将棋』プレイレポート

2019年03月25日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 日本人ならば知らぬ人はいないあの”将棋”が、とんでもないゲームになってしまった。


 この記事では2019年3月14日にNintendo Switchにて配信開始された、早い者勝ち将棋ゲーム『リアルタイムバトル将棋』のプレイレポートをお届けする。


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■ゲームジャンルは「早い者勝ち将棋」
 まずはゲームシステムについて簡単に説明しよう。公式サイトの説明文によれば、『リアルタイムバトル将棋』のゲームジャンルは”早い者勝ち将棋”となっている。


 将棋なのに早い者勝ち……? そう、本作は本来ならばターン制である将棋から、ターン(手番)という概念を取り払った画期的なゲームなのだ。


 プレイヤーは好きな駒を好きな時に動かせる。自分が駒を動かした後に、相手の手を待つ必要はない。ただし、駒ごとに1度動いた後に数秒のクールダウン時間が設定されているため、単一の駒を連続して動かすことはできない。


 ゲーム開始前に80秒から300秒までの試合時間を選択可能で、制限時間内にどちらかの玉が取られなかった場合はそれまでにとった駒の数(※)によって判定で勝敗が決められる。
※正確には駒の重要度に応じたポイント制。


 ゲームモードは1人プレイと2人プレイが用意されており、1人プレイでは強さの異なる9人のNPCと対局できる。対局前にNPCのレベルと試合時間を選択できるが、試合時間が長いほうが玉をめぐるやりとりが熱くなるのでオススメだ(80秒ではお互い玉をとれず、判定に持ちこまれるパターンが多かった)。


■「これは将棋ではない」という褒め言葉
 『リアルタイムバトル将棋』をプレイしてみて身にしみるのは、「このゲームは将棋ではない」ということだ。


 盤面の駒全てに注意を向けることはほぼ無理と言ってもよく「飛車をとってやろう」と駒を動かしていると、思わぬ所でこちらも重要な駒をとられてしまうといった事態が頻繁に発生する。ゲームスピードが速すぎて王手に気づけないこともままある。


 また本作はNintendo Switchのコントローラーで操作するのだが、飛車角のような移動距離の長い駒は移動時のカーソル移動に時間を食う。そのため角同士、飛車同士がお互いにとれる状態になった場合は、より早く操作したほうが飛車角を得られるのだ。


 本作はタッチ操作にも対応しているため、『リアルタイムバトル将棋』を極めたいのならタッチ操作を使ってみるのも大いにアリだ。スワイプで操作できないので慣れるまではやりづらいが、十字キー操作よりもスピーディに駒を動かすことができる。


■オンライン対戦機能も開発決定!
 『リアルタイムバトル将棋』はユニークな発想によって作られた全く新しい将棋ゲームであり、その戦略には無数の可能性が秘められている。


 筆者は特別将棋に詳しいわけではないので断言できないが、本作では現代将棋で用いられる定石もそのままでは通用しないのではないだろうか。そう思わせるほどに、本作の”早い者勝ち”要素は将棋のルールを根本から変えている。


 そして、発売から6日が経過した3月20日、開発元のシルバースタージャパンはTwitterにてオンライン対戦機能の開発を発表した。オンライン機能の未実装はゲームが面白いだけに残念だったが、この発表でその懸念は解消された。


 『リアルタイムバトル将棋』はNintendo e-ショップにて800円(税込)にて発売中。将棋のようで将棋でない、新しいe-sportsを体験してみたくはないだろうか?


(脳間 寺院)