ダニエル・リカルドがF1オーストラリアGPでお披露目した新ヘルメットのカラーリングについては、ひとつの謎があった。彼のヘルメットの側面の「彼らのようになるな」というメッセージは、何を意味しているのだろうか?
多くの人々が、これは彼が昨シーズンまで所属していたレッドブル・レーシングへ直に向けられた、暗号めいたあてこすりだと考えた。レッドブルの強力な宣伝手法から解放されて、新たな自由を手にしたことを宣言するものだというのだ。
実際には、この個人的な標語は、2019年のリカルド自身に刺激を与えて鼓舞するためのシンプルなモットーなのだという。
「これはレッドブルに向けたものではない。でも(ルノーで)なんでも好きなことができる自由を得て、何かクレイジーで違うことをやってもいいじゃないかと思ったんだ」とリカルドは説明した。
彼は新ヘルメットのアートデザインを、アーティストのオーナメンタル・コニファーことニコライ・スクレイターに委ねている。
「つまり『彼らのようになるな』というのは、基本的に流行りを追わずに、自分自身でいられるように勇気付けるための言葉だ。ある道へ進みたいのなら果敢に進め、ということだ」
この言葉はレッドブルを意識したものではないかもしれないが、ルノーにおけるリカルドの新生活では行なうべき宣伝活動が比較的少なく、自由な時間がもたらされている。
「とても良かったことは、6週間にもわたって空港に行かなかったこと。飛行機に乗っていない時間は、この10年で最長だったと思う」とリカルドは語り、オフシーズンと休暇中に最も楽しんだことについて話した。
「アウトドアを楽しんだり、友達と過ごして、ビールを飲み干したりしていた」
ルノーにおけるリカルドの初戦は残念ながら不発に終わったが、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグは、彼には新チームで向上するための時間がもう少し必要だと考えている。
「彼はチームにうまく溶け込んではいるけれど、ドライバーが本当に馴染むには、あともう少しの時間が必要だ」とヒュルケンベルグは語った。
「新しい革靴のようなものだよ。歩いていて靴が柔らかく快適に感じるまでには少し時間がかかる。彼は今、その過程にいるんだ」