トップへ

「ビューティフルピープル」ブランドの"強み"を得て東京で凱旋ショー、経産省講堂が会場に

2019年03月23日 17:52  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

ショーのフィナーレ Image by: FASHIONSNAP.COM
熊切秀典が手掛ける「ビューティフルピープル(beautiful people)」が、霞ヶ関の経済産業省本館の講堂で2019-20年秋冬コレクションを発表した。

 ブランドにとって東京でのショーは5シーズンぶり。昨年2月にファッションデザイナーのビジネス拡大を支援するために発足した経済産業省若手支援コンソーシアムの創立1周年を記念して開催され、今回ブランド側には会場が無償で提供された。同施設がファッションショーの会場として使用されるのは初めて。 ショーでは、先月パリで発表したウィメンンズコレクションに3体のメンズが加えられた。2019-20年春夏コレクションで発表した、服の表面と裏面の間に存在する袋状の部分に着目したデザインアプローチ「サイド C」をアップデートしており、秋冬シーズンでは内部に隠れている内臓や血管からインスピレーションを得たボタニカルプリントや、グレーやベージュ、ブラウンなど人間が持つ色味から構成されるカラーパレットを用いた。モヘアのケープジャケット、トレンチコートをはじめとするアウターや、スキンカラーのタートルネックをドレスやテーラードのセットアップに合わせるスタイリングなどが登場。アクセサリーはハートシャイプのバッグやビッグサイズのブランドタグがあしらわれたファートート、ハートの形のペンダントなどがアクセントとして加えられた。
 パリでの発表は3シーズン目を迎え、デザイナーの熊切秀典は「挫折しそうになる時もあるが、どうすれば日本のファッションやものづくりを理解してもらえるか、ということを考えてコレクションを作っている。そこでパタンナー出身という自分のバックボーンにつながる『サイド C』という、コンサバもモードも包括できるアプローチを見つけた。ビューティフルピープル=『サイド C』と認識してもらえるように、今後もパリで頑張っていきたい」と強みを活かしたクリエイションを武器に、パリでの発表を継続するという。
 ショー後の会見には磯﨑仁彦 経済産業副大臣も出席。この1年の成果として、ジェトロの海外支援を通して日本人若手デザイナーを海外の展示会に参加させるなど、今後も若手デザイナーの海外進出に寄与していくと言い、今回のように国が所有する施設の使用も要望があれば前向きに検討していくという。
■ビューティフルピープル:2019年秋冬コレクション全ルック■ファッションウィークの最新情報:特設サイト