日本損害保険協会は3月20日、「第20回自動車盗難事故実態調査結果」を発表した。調査は昨年11月に損害保険会社17社を対象に実施。全国で発生した自動車本体盗難事故、および車上ねらい(部品盗難含む)事故のうち、調査期間内に車両保険金を支払った事案を対象とした。車両本体の盗難の調査総数は277件、車上ねらいの調査総数は364件だった。
車両本体の盗難を車名別に見ると、「レクサス」が昨年から2.6倍の66件に増加し、調査開始以降初めてワースト1となった。2017年の調査まで4年連続ワースト1だったプリウスは、今回はワースト2と、依然として高い。車両の盗難が、特定の車種に集中する傾向が続いている。
屋外にある車が狙われやすい「複数の防犯対策を」
車両本体盗難の1件あたりの平均支払保険金は、近年増加傾向にある。前回調査では253.2万円だったのに対し、今回調査では361.4万円となっている。比較的高額な車両が狙われることが多いと推測できる。
車両本体盗難の発生時間帯は、「深夜~朝(22時~9時)」が75.8%を占めた。深夜から朝にかけての発生比率は昨年より高くなっている。窃盗犯が深夜から朝にかけての薄暗い場所で窃盗に及んでいる傾向があるようだ。
車両本体盗難の発生場所は、「自宅(屋外)」が昨年から8.8ポイント増加し、48.4%だった。「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の77.6%が屋外で発生している。屋外駐車場に駐車してある車両が圧倒的に狙われやすいことが分かる。
自動車盗難等の防止対策として日本損害保険協会は、「普段から『バー式ハンドロックや警報装置などの盗難防止機器を利用する」『貴重品は車内に放置しない」など、複数の防犯対策を講じることが有効」としている。自宅の駐車場でも安心せずに、防犯カメラや防犯灯などを利用し、窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらくすることも重要だ。