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TEAM MUGEN、マン島TT6連覇へ。東京モーターサイクルショーで2019年マシン『神電 八』をお披露目

2019年03月22日 16:11  AUTOSPORT web

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TEAM Batham’s MUGEN、第46回 東京モーターサイクルショーで参戦体制発表
TEAM MUGENは3月22日、東京ビッグサイトで開催されている『第46回 東京モーターサイクルショー』で、2019年マン島TTレース、TT Zeroクラスの参戦体制発表を行った。

 マン島TTレースはイギリス諸島にあるマン島で、今年は5月25~6月7日に開催される、公道で競われる世界最古の二輪車レースだ。

 TEAM MUGENは、二酸化炭素を一切排出しないゼロエミッションカテゴリーのTT Zeroクラスに、2012年から電動バイクで挑んでいる。TT Zeroクラスは1周約60キロのコースを1周のみ周回して競われる。

 2018年はマイケル・ルターとリー・ジョンストンが『神電 七』を駆って戦い、ルターがコースレコードの18分34秒956を記録しクラス5連覇を果たしている。このとき、平均車速は121.824マイル(約196キロ)で、最高時速は約280キロを記録したという。

 ジョンストンは、チェーンが脱落するトラブルに見舞われたが、21分26秒668のタイムを記録し3位でチェッカーを受け、2台ともに表彰台を獲得した。

 チームを率いる宮田明広監督は、「昨年のマン島TT決勝はゼッケン1番をつけたマイケル・ルター選手が優勝、ゼッケン2番をつけたリー・ジョンストン選手が3位ということで、5連覇を果たし、我々が長年目標としていた平均車速120マイルを超えて121マイルの記録を残すことができました」と2018年の挑戦について報告。

 TAEM MUGENは、当初3台体制で臨む予定だったが、ジョン・マクギネスとブルース・アンスティが欠場を余儀なくされ、ルターを急遽招集し2台体制で戦った。ライダー体制の変更やトラブルを抱えていたことについて、宮田監督は「ご覧いただいた方には、非常にご心配をおかけしたこともありました」と以下のように語った。

「急遽ルター選手に依頼して乗っていただき、現地では彼に合わせました。我々としても混乱した状態ではあったんですが、7年参戦しているという経験もありますので、そこはなんとか短期間でうまく調整することができ、予選を迎えることができました」

「120マイル(約193キロ)の平均車速ということで、車両の性能を上げるということが僕らにとっては非常に重要な課題にはなるんですが、特に出力を上げるということに関してはそれだけ車体に負担がかかるということがあります」

「実際には車両のトラブル、駆動系のトラブルは例年以上に大きい問題が出て苦戦した年でもありました。満足に予選を走ることもできなかったり、当然セッティングをしていきたいというメニューも消化できなかったりということがあり、非常に苦しい思いはしたんですが、決勝前日になんとか車両をそろえることができ、グリッドにつけられたという経緯がありました」

「ただそのなかで、チームスタッフが全力で準備し、ライダーの方も車両の限界を極限まで引き出すというところで頑張っていただいた結果、なんとか1位と3位で5連覇を果たすことができたという状態でした」

 昨年のレースについて報告した後、2019年の体制を宮田監督が発表。6連覇を目指す参戦マシンの『神電 八(SHINDEN HACHI)』がお披露目され、ライダーはルターを継続起用し、昨年欠場したマン島の現役最多優勝を誇るマクギネスを迎え、2019年のマン島TTに挑む。チーム名はTEAM Batham’s MUGENとなることも決定した。

 今年のマシンはパワーユニットを改善したことでさらに出力アップし、車体の信頼性と空力特性の向上を図った新デザインとなっている。

 クラス6連覇に向け宮田監督は、「ジョンに関してはここ2年乗れなかったので、彼自身も強い思いがあると思いますので、期待してますが、我々としては(マン島の)アグレッシブなコースをとにかく安全に最後はきっちり完走し、良い結果に結びつけられればなと思っています」と意気込んだ。

 なお、無限ブースでは、神電 八のほか、電動モトクロスの『E.REX Prototype』と大排気量の2000ccエンジンの『MUGEN Vツインエンジン Concept』も展示されている。

 2019年のマン島TTレースは5月25~6月7日に開催され、ゼロチャレンジクラスは6月5日に決勝レースがスタートする。