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バイト募集なのに「時給」不明、「詳細は面談で」…問題ないの?

2019年03月22日 11:32  弁護士ドットコム

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店舗に掲示したり、求人サイトや専門誌に掲載したり、アルバイト募集の方法は様々だ。応募する際に、どんな点を注意して見ているだろうか。


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都内の大学生は最近、気になっていたメディア関連企業の自社サイトに、次のような求人を発見したが、ある疑問を抱いたという。



【アルバイト募集のお知らせ】  「 *業務内容 編集アシスタント…編集補助全般 *勤務日 平日、週3日くらい *時間 10:00~17:30



出勤日、時間については、柔軟に対応致します。その他委細は面談にて。応募者は下記宛先まで履歴書をご郵送ください」



以上がその掲示内容だという。



この何が疑問かといえば、「肝心の時給が書いていないんですよ。あと社会人を募集しているのか、大学生を募集しているのかもわかりません。それなのにどう使われるかもわからない履歴書を提出するのが心配です」と話す。



この求人に、何か問題はないのだろうか。森田梨沙弁護士に聞いた。



●「詳細は面談で」問題はないものの

ーー求人の時点で、明確にするべき条件には、どんなものがありますか。



会社が労働者の募集を行う場合には、次のような労働条件の明示が必要とされています。



(1)業務内容、(2)契約期間、(3)試用期間(試用期間の有無、あるときはその期間)、(4)就業場所、(5)始業及び終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項(裁量労働制が適用されることとなる場合はその旨)、(6)賃金(固定残業代を採用する場合はその旨及び内容)、(7)加入保険、(8)募集者の氏名又は名称、(9)派遣労働者として雇用する場合はその旨



これは、会社が自社のホームページを使って労働者を募集する場合でも変わりません。



ーー事例のように「詳細は面談で」などとすることに問題はありませんか。



記載のスペースが足りないなど、やむを得ない場合には「詳細は面談の時にお伝えします」などと記載し、条件の一部を別途明示することも認められています。



この場合でも、初回の面接など、会社と求職者が最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示するのが原則です。



●時給は「明示」が原則

ーー今回の事例は、時給が明示されていませんが、「その他委細は面談にて」とありました。



時給(賃金)は前述のように、明示すべき労働条件です。原則として、明示した上で募集を行う必要があります。



ただし、スペースの関係等でやむを得ない場合には、「その他委細は面談にて」という形で募集を行っても、法律的には問題はありません。



ーーあくまでも「やむを得ない場合」が必要なのですね。なお相談者は「募集の対象が社会人なのか大学生なのかの記載もない」ことも不満気です。



その点は、法的に明示が必要な事項というわけではありません。



ただ、求職者の側からすれば、あまりに情報の少ない求人では、不安を感じられるのも当然のことと思います。会社の採用担当者としては、もう少し内容に工夫をすべきだったと言えるのではないでしょうか。



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(弁護士ドットコムニュース)




【取材協力弁護士】
森田 梨沙(もりた・りさ)弁護士
中小企業法務、労働案件、一般民事(交通事故、不動産、離婚事件他)など幅広く手掛ける。事案の早期解決及び予防法務の観点から、依頼者と密なコミュニケーションをとることを常に心がけている。趣味はゴルフと漫画。

事務所名:共進総合法律事務所
事務所URL:http://www.kyoshin-law.com/index.html