F1の2019年新規則変更が導入されてまだ日が浅いが、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、開幕戦オーストラリアGPで目にしたことに満足している。
F1は2019年シーズンを前に、マシンが互いに接近し、オーバーテイクを促進させるために、空力規則の調整を行った。
レースにおいてこの規則変更が大きな効果をもたらすかどうかはドライバーたちの間でも意見が定まっていない。中団グループで戦うハースのロマン・グロージャンは肯定的な意見を述べているものの、メルセデスのルイス・ハミルトンは、今回のレギュレーション変更は「何の違いもない」とコメントしている。実際、初レースとなるメルボルン・サーキットでは、オーバーテイクはほとんど見られなかった。
しかしながらブラウンのデータによると、2019年のオーストラリアGPでは2018年に比べて、オーバーテイクの回数が133%増加したという。
「レースで見られた、追い抜きしようとする動きの回数から判断すると、2018年の3回に比べて今年は14回(6回はDRSなし)だった。これは初期の兆候としては励まされるものだ。実際にオーバーテイクできたかはさておき、我々は何度かスリル満点のバトルを目にしたのだからね」とブラウンは評価した。
「だがこのデータの全てが新しい空力規則によるわけではないことは明らかだ。特に中団チームのパフォーマンスは劇的な接戦となっている」
「しかし一部のドライバーは、昨年に比べると前のマシンを追いかける時に、マシンがよりニュートラルに感じたと言っている」
「ここ(市街地サーキットである)オーストラリアGPでは正確なテストができたわけではない。結論に達する前に、少なくともあと3戦は待ちたいと思う。それでも初期の兆候には望みがある」
2019年に導入された、ファステストラップを出したドライバーにボーナスポイントを付与するルールについて、ブラウンはそのシステムがメルボルンでは完璧に目的を果たしたと感じている。
「ファステストラップを記録したドライバーとチームにポイントを付与するシステムを再導入したことで、レース終盤が活気づけられた。ファステストラップを出してボーナスポイントを得るかに見えた(バルテリ・)ボッタスに、(マックス・)フェルスタッペンが迫ろうとしていたからね」
「シーズンの終わりには、極めて重要となる追加の1ポイントを獲得する戦いは、開幕戦の段階で表彰台の順位が決まりそうなレース終盤を確実に活気づけていた」
「それこそが我々とFIAがこのアイデアを思いついた時に、思い描いていたことだよ」