トップへ

YouTuberグループ「プリッとChannel」はなぜ面白い? 時代を先どった“芸人集団”の魅力に迫る

2019年03月21日 08:51  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 ここのところ、テレビで活躍している(orしていた)芸人がYouTubeに参入する事例が増えている。この流れを先取り、2017年よりYouTubeで活躍している、芸人&元芸人のみで構成されたYouTuberグループをご存じだろうか。その名も「プリッとChannel」。今回はメンバー構成を含めて、その魅力を紹介していきたい。


(参考:新メンバーを迎え、飛躍を続けるYouTuber「きょんくまチャンネル」 その魅力を徹底解説


 まずは、メイン・サブを含め、8人いるメンバーを紹介していこう。プリッとChannelは現在、メインメンバーであるSasukeとあごキング、準メンバーのおだんご、三戸先生、しょうちゃんの5人、そして先月発表があった新メンバー、世直し、娘_、パンダの3人を加えた8人グループだ。新メンバーの3人は過去に動画に出演したことがあり、この度正式なメンバーとして加入した形だ。


 おだんごはコンビ名「なおよし」、三戸先生はコンビ名「THE GREATEST HITS」、しょうちゃんはコンビ名「コスモスライダー」、娘_はピン芸人「あいすけ」としてそれぞれ活動している。パンダも「ザ☆忍者」というコンビ名でお笑い芸人として活動していたが解散、ピン芸人から会社員を経て、プリッとChannelに加入した。なかには有名お笑い番組にも出演するほどの経歴を持つなど、芸人として中々のキャリアを持っているメンバーもいたり、芸能事務所と掛け持ちでYouTube活動をしていたり、またメンバーの年齢も30代を中心に20代半ばのメンバーもいたりと、多様なメンバーが揃っている。


 メインを張るSasukeとあごキングはコンビ名「ざしきわらし」として芸人の道を進んでいたが、2017年にコンビを解散し、YouTubeを始める。最初はsasukeひとりでYouTubeに投稿をしていたが、後に相方のあごキングが合流。元芸人ということも関係してか、芸人仲間がチャンネルに度々出演するようになっていき、メンバーの脱退等もありながらメインメンバーと準メンバーという現体制が生まれた。動画クリエイターのマネジメントで日本のトップを走るUUUM所属で、2017年には「U-FES.」出場決定戦に勝利、総額2000万円争奪の動画コンテスト「UUU-1 Battle!」にも出場し、話題になった。


 sasukeとあごキングはそれぞれ35歳、33歳、一番下のしょうちゃんでも24歳と、プリッとChannelには比較的高めの年齢層が集まっている。個人で活動しているYouTuberには珍しくないが、グループYouTuberとしては稀有な年齢構成だ。芸人集団ということもあり、卓越したトーク力と演出力を武器に、幅広い視聴者が楽しめる内容になっている。メインストリームからは少し離れた印象もある、ユニークな存在だ。「学生ノリ」的なものについていきづらい人でも、彼らの虜になってしまうかもしれない。


 本格的に人気に火がついたのは、昨年6月にアップした動画「人は24時間プールで生活できるのか!?超過酷すぎて激ヤバ地獄!!」だ。タイトル通り、あごキングが超過酷な生活を行なうというもので、6月とはいえまだ本格的な夏とは言えない時期によく外で実践しようと思い立ったものである。長時間企画は後半に向けてグダグダになってしまいがちだが、あごキングのとてつもない忍耐力で、本気の自由形やフラフープくぐりなど、Sasukeから出された様々なお題をクリアしていく。そこは芸人としてのキャリアがなせる技か、オンオフのメリハリがきいており、ダレずにエンターテイメントとして成立させる力はさすがというところ。この動画は後に人気グループ「東海オンエア」の動画内でも紹介されたこともあり、700万再生に迫ろうかという、プリッとChannelの代名詞になっている。


 他にも代表的な動画シリーズにはディズニー企画、鬼ごっこ企画、大食い企画などが挙げられる。中でも個人的におすすめしたいのは、鬼ごっこシリーズだ。同シリーズでは、小学校の校舎や遊園地といった限られたスペースから、「東京都内」という広範囲のエリアまで、様々な舞台で鬼ごっこが行なわれる。大の大人が全速力で走り回る姿は、あまりにも必死すぎて見ているだけで面白い(小学校での鬼ごっこでSasukeが足を踏み外して転けるシーンは、不謹慎にも笑えるシーンだ)。また、学校を舞台にした鬼ごっこは、昔の思い出が蘇ってくるようで懐かしい気持ちにもなる。いい大人が全速力で駆け抜ける鬼ごっこ、ぜひチェックしてみてほしい。


 刺激的な企画もあるが、人生経験を感じさせる素朴な空気感があり、エンターテイナーとしてのスキルとともに不思議な親しみを感じさせてくれる、プリッとChannel。日々の疲れを癒やすために、ぜひチェックしてみてほしい。


(川崎龍也)