2019年03月20日 11:31 リアルサウンド
Googleがゲーム開発者向けのカンファレンス『GDC2019』で行われたキーノートセッションにて、新たなゲーミングプラットフォーム『Stadia』を発表した。
カンファレンスの内容によると、『Stadia』はハイスペックなゲーミングPCなどを必要とせず、Chromeブラウザとインターネット接続されたデバイスがあれば利用できるゲームストリーミングサービスで、ゲームやパッチのダウンロード・インストールも不要。PC、TV、タブレット、スマートフォンといったクロスプラットフォームで楽しむことができる。操作についても、専用コントローラーであるStadia Controllerのほか、サードパーティーのコントローラーやキーボード、マウスも使用可能だという。
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昨年、Googleでは『Project Stream』というクラウドベースのゲームサービスをテストローンチしていたが、この段階では解像度が1080p/60fpsの環境だったことが『アサシン クリード オデッセイ』のプレイで証明された。しかし『Stadia』では4K/60fps+HDR・サラウンドサウンドに上がっており、将来的にも8K/120fpsの環境を目指す。グラフィックなどを処理するデータセンターが世界7500カ所のエッジノードで接続され、AMDのカスタムGPUを採用したことで、1インスタンスのみで10.7TFLOPSを実現しているのも驚きだ。
スペックは上記のようなものになるが、既存のGoogleが持つサービスとの連携が一番の魅力だろうか。上記の『アサシン クリード オデッセイ』起動方法も、YouTube上で視聴していたゲームのトレイラー動画から「購入」ボタンを押すだけでブラウザ上からほぼタイムラグなしで起動する、というものだった。
さらに、「State Share」や「Crowd Play」といった配信者向けの機能も搭載。「State Share」は『Stadia』のデータセンターにあるセーブデータにアクセスし、特定の状況から他のプレイヤーが遊べるようにできるというもの。「Crowd Play」はゲーム実況中に「一緒に遊ぶ」ボタンを押すことで、配信者とチャットルームの気軽さで一緒にゲームプレイができる。
なお、『Stadia』は2019年中の展開を予定しており、ローンチ時に100以上のタイトルに対応するとアナウンスされている。だが、アメリカ、カナダ、イギリス、ヨーロッパの4地域で先行ローンチとなるため、アジア圏での実装はまだ先の話だ。
そして、ゲームプレイヤー側から見れば、ハードに依存しないプラットフォームは魅力的ではあるものの、格闘ゲームやFPSなど、フレーム単位の遅延が命取りになるゲームにおいて、同サービスがどこまで活きるのかという点も気になる。詳報はもう少し先になりそうなので、まずは開発側の発言や、先行ローンチ地域のレビューなどを楽しみにしたい。(リアルサウンド編集部)