2019年シーズン、中団チームの争いは熾烈なものになりそうだ。メルセデス、フェラーリ、レッドブルというトップ3チームと大きく遅れをとっているウイリアムズを除いて、その他の6チームすべてが中団グループの栄光をかけて戦っている。
現時点で中団チームの争いをリードしているのは、ハースF1チームだ。そのハースに所属するケビン・マグヌッセンは、「中団グループでコンマ2、3秒をリードできたら、それは大きな差になる。すぐ後ろのドライバーに1秒差をつけるような状況ではないんだ」と話した。
驚きなのは、2019年にアルファロメオF1がいかに大きく前進したか、ということだ。決勝レースを8位で終えたキミ・ライコネンは、次のように語った。
「ファクトリーでマシンを製作しているのは、今でもザウバーのスタッフだ」
「とても優れたマシンで、これより他に速いマシンがあると考えるなんてばかげている。とても速いと思っているよ」
またルノーについては、予選ではニコ・ヒュルケンベルグが11番手、ダニエル・リカルドが12番手だった。だがリカルドは、この予選結果以上にマシンには速さがあったと考えており、実際にヒュルケンベルグが7位に入賞したことでリカルドの意見が証明されたかたちとなった。
十分な予算を手にしたレーシングポイントは、シーズンを通して着実に、また継続的にマシンのアップデートが可能となった。しかしチームはプレシーズンテストの間に限られた走行距離しか走れず、劣勢の立場でシーズンをスタートした。
それでもレーシングポイントは、資金が投入されたおかげで、通常はシーズン5戦目まで準備が整わないマシンのアップグレードを開幕戦オーストラリアGPに持ち込むことができた。
■万全の準備で開幕を迎えたトロロッソ・ホンダは混戦を抜け出せるか
そのレーシングポイントとは対照的に、トロロッソ・ホンダの新シーズンへの準備はスムーズに進められた。
「プレシーズンテストでは、何も問題はなかった」とダニール・クビアトは語った。
「準備万端でオーストラリアに来たよ。そしてすぐにいつものレーススケジュールへの取り組みに集中できた」
そしてマクラーレンは、ルーキーのランド・ノリスがオーストラリアGPの予選で8番手につけたものの、おそらく中団グループの最後尾に位置している。
オーストラリアGPの結果を見ると、優勝から5位までをトップ3チームが占めているが、6位から10位までに5チームが入賞している。特に7位のヒュルケンベルグから10位のクビアトまでは数珠繋ぎの接戦だった。
ハースが他チームより優位に立っているのは確かだが、ロマン・グロージャンは、チームが中団グループのトップの座を守り続けられるかについては慎重な姿勢を見せている。
「(序盤の4戦を終えて)スペインGPを迎えれば、どのチームも大規模なアップデートを投入する」とグロージャンは語った。
「僕たちが優位なのかどうかははっきりしてない。誰が本当に強くて、誰がそうではないかということが明確になるには、時間がかかるだろう」