スーパーバイク世界選手権(SBK)第2戦タイは開幕戦に引き続き、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が席巻した。ディフェンディングチャンピオンのジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)は3レースすべて2位でフィニッシュ。SBKの4連覇王者の未勝利が続いている。
チャン・インターナショナル・サーキットで行われた第2戦タイは、3レースでトップを独走して優勝を飾ったバウティスタに対し、レイは水をあけられて2位フィニッシュをする形となった。
レース1では序盤こそ2番グリッドからレースをリードしたレイだったが、9周目にバウティスタに交わされるとそのまま差を広げられた。バウティスタはこれまでのファステストラップのレコードタイムを更新する速さで独走優勝を飾り、レイは単独で2位フィニッシュ。トップのバウティスタと2位レイの差は約8秒だった。
「バイクにはいい感触を得ているし、このパッケージで最大限の形を得たから、明日が楽しみだよ。自分の努力をとても誇りに思っているし、楽しんでもいる。残念ながらその努力が結果に反映されなかったけどね」
そう語るレイは、レース1での2位は現状のベストの結果だったと言う。
「明日にはもう少し改善できるだろう。けれど、今日のパッケージでは、これがベストだった。レース終盤には、(2位で獲得できる)20ポイントを持ち帰ることを考えて始めていたんだ」
一方で、翌日のレースについては期待を感じさせていた。日曜には10周の超スプリントレース、スーパーポール・レースと20周で争われるレース2が行われる。
「明日のレース、特にスプリントレース(スーパーポール・レース)が楽しみだよ。僕はその10周のなかで、最後まで強さを維持して戦えると思う」
ただ、スーパーポール・レースもレイの期待どおりにはならなかった。7周目に3コーナーで発生したアクシデントの影響で赤旗が提示され、そのままレースが終了となるまで、バウティスタの先行を許した。
レース2でもレイは再びバウティスタのひとり旅を許し、最後にはバウティスタとレイとの差は10秒以上に開いていた。第2戦タイの3レース、そして開幕戦から6連勝を飾るバウティスタに対し、レイは6レース連続2位。ポイント差は26となった。レース2の結果について、レイはやはりこの日も「今日は2位がベストだった」とコメントしている。
「最後にはアレックス(・ロウズ)のプレッシャーを受けたけれど、2位を得られた」
「今週末、僕たちはフロントエンドの安定性に少しばかり苦しんでいたんだ。特にレース2の後半では、フロントが少し動いていた。セクターでは力強かったんだけどね」
「(今回は)49ポイントを稼ぐことができた。ヨーロッパではさらに力強いレースができるようにしていきたいね」
バウティスタの後塵を拝しているレイ。一方で見方を変えれば、そのとき自身が獲得しうるベストの2位を獲得し続けているとも言えそうだ。第3戦アラゴンから始まるヨーロッパラウンドで、反撃開始となるか。