井上苑子×桜ソング、あいみょん×「＃弾き語り」、Aimer×『オオカミくん』……TikTok『ホット』『人気急上昇』楽曲を考察

　随時更新されているアプリ内の『ホット』『人気急上昇』『おすすめ』などの楽曲リストから、リアルタイムで話題の楽曲を毎月紹介するこのコラム。2月はガールズラップユニット・chelmicoの「BANANA」や、WANIMAの新曲「アゲイン」などが人気急上昇リストに登場。また、「バレンタインチャレンジ」企画のレコメンド曲にもなっていたRYUCHELL「今すぐKiss Me」に合わせて、ポーズシャッター機能やお菓子作りに挑戦する動画も数多く投稿されていた。

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　今月もリストの中からいくつか楽曲をピックアップし、TikTokでは今どんな動画が人気なのかをチェックしていきたい。

・Aimer／コイワズライ
　ホットリストには、Aimerの新曲「コイワズライ」がランクインしている。4月10日発売のニューアルバム『Sun Dance』に収録されるこの曲は、AbemaTVで放送中の『白雪とオオカミくんには騙されない♥』の主題歌。同番組が主に女子中高生や20代女性から支持を集めていることや、歌詞に10代の淡い恋が描かれているという点でも、TikTok世代ドンピシャのバズりやすい要素が揃った楽曲と言える。可愛らしい手振りを付けてリップシンクをする動画のほか、カップルや男女ペアで撮影し、手のひらや指に書かれたメッセージを相手に見せる動画も流行している。

・あいみょん／プレゼント
　人気急上昇リストには、あいみょんが先月リリースしたアルバム『瞬間的シックスセンス』に収録されている「プレゼント」が登場。あいみょんの楽曲は以前からTikTokでも人気が高く、同じアルバムに収録の「満月の夜なら」を使用した動画の投稿数も多い。また現在、人気急上昇中のハッシュタグ「 #弾き語り」を付けて、ユーザーがあいみょんの楽曲を弾き語りでカバーしている動画もよく見られる。TikTokのおすすめページに載ったり広告として使われることは、自分の投稿動画が不特定多数の人の目に付くチャンスにもなる。そのため、今後はメジャーだけに限らずインディーズのアーティストがTikTokを宣伝ツールとして活用することも増えていくかもしれない。

・whiteeeen／卒業ソング
　楽曲リストには毎月、季節限定のプレイリストが用意される。今月は「卒業」に関する楽曲を集めたリストとなっており、制服姿で青春を謳歌している姿や、卒業式当日の模様を撮影した動画に、このリスト内の楽曲が使われている。その影響で女性ボーカルユニット・whiteeeenが約3年前に発表した楽曲「卒業ソング」が人気急上昇リストに浮上。TikTokと言えば、音楽に乗せてリップシンクやダンスをするパフォーマンス系動画がほとんどだった印象だが、最近では音楽をBGMとして使い、日常の一コマや思い出のシーンを記録するショートムービー風動画の割合も増加している。TikTokの楽しみ方の幅はこれからも広がっていきそうだ。

・井上苑子と海崎新太／さくら
　「ふたり」などの過去曲がTikTok内でもロングヒットを記録している井上苑子。映画『ReLIFE リライフ』のエンディングテーマに起用されていたカバー楽曲「さくら」（原曲：ケツメイシ）が、今月のホットリストにランクイン。動画の傾向としては、この曲に合わせて画面に花びらを降らせる「花効果」や、花のスタンプなどを使って撮影されているものが多い。毎月、様々な機能やアプリを使った撮影方法が追加され、その中でも今年に入ってからはポーズシャッターが特に人気だったが、今月は画面にハートのスタンプが流れる「ウインクハート」と呼ばれる動画が流行しつつある。このように目新しい機能やエフェクトを使った動画がバズると、たまたまその動画に使われた楽曲も話題になり、人気急上昇リストにランクインしてくるパターンも少なくない。（渡邉満理奈）