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大倉忠義&成田凌、『窮鼠はチーズの夢を見る』クランクアップ 「今だからこそ、出来た役」

2019年03月16日 10:41  リアルサウンド

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 2020年公開作『窮鼠はチーズの夢を見る』がクランクアップを迎え、大倉忠義、成田凌、原作者の水城せとな、行定勲監督がコメントを寄せた。


 本作は、『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を実写映画化した人間ドラマ。受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた大伴恭一(大倉忠義)は、ある日、後輩の今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会。「ずっと好きだった」というからの一途なアプローチに振り回されていくうちに、やがて恭一は胸を締め付けるほどの恋の痛みに翻弄されていく。


 ラストカットを撮り終えた大倉は、行定監督から花束を受け取ると、思わず目に涙を浮かべる。約1カ月に渡り行われた撮影に思いを馳せ、「今までにやったことのない役をやりたいなと考えていたので、この映画のお話を戴いた際には是非演じてみたいと強く思いました。33歳という今だからこそ、出来た役だと思います」と本作への想いを打ち明ける。


 また、初共演の成田については「成田さんは色気があり、持ってる空気が柔らかく、ナチュラルに“今ヶ瀬”なんだなと思わせてくれました。ずっとフラットな関係で居られたので、お芝居がやりやすかったです」とその印象を語った。


 スタジオには、先にクランクアップを迎えていた成田がサプライズで登場。最後に行定監督と3人で記念撮影を行い、大倉は「気付いたら朝になっていましたが、無事にクランクアップを迎えられて良かったです。ありがとうございました」と笑顔を見せた。成田も「大倉さんとは日を重ねるごとに自然と距離が縮まっていき、肌が触れ合うと、お互いの距離感も変わっていくようで、すこしずつ息が合っていったように感じます。ふたりの姿が、痛いほどリアルで、美しくて、悲しくて……。観て頂く方それぞれが、自分と好きな人を重ね合わせながらご覧頂ける作品だと思いますので、是非楽しみにして頂けたらうれしいです」とコメントを寄せた。


 テイク数を重ねることで知られる行定監督の撮影現場について、成田は「俳優部としてはとても贅沢なことだと思います」と行定監督のこだわりに感謝し、大倉は「行定監督は感情的には穏やかな感じで現場にいらっしゃいましたが、1シーンの画に関してすごく厳しく、なかなか1回でOKが出なかったですね。そこまで監督がこだわり抜いた画が繋がった時、どんな映画になるんだろうと、とても楽しみです」と完成への期待を語った。


 大倉、成田のコメント全文、行定監督、水城せとなのコメントは下記の通り。


コメント
●大倉忠義(大伴恭一役)
今までにやったことのない役をやりたいなと考えていたので、この映画のお話を戴いた際には是非演じてみたいと強く思いました。33歳という今だからこそ、出来た役だと思います。
撮影を振り返ってみると、難しかったような気もしますが、今は終わったばかりということで思考回路がショートしてしまっていてあまり思い出せない状況です。印象的なシーンばかりで、1シーン1シーンが濃かったなと思います。成田さんは色気があり、持ってる空気が柔らかく、ナチュラルに今ヶ瀬なんだなと思わせてくれました。ずっとフラットな関係で居られたので、お芝居がやりやすかったです。行定監督は感情的には穏やかな感じでいらっしゃいましたが、画に対してとてもこだわりを持っていました。1シーンの画に関してすごく厳しく、なかなか1回でOKが出なかったですね。そこまで監督がこだわり抜いた画が繋がったとき、どんな映画になるんだろうと、とても楽しみです。演技に関しては、こちらを尊重し、自由にやらせてくださったので、お芝居って楽しいなと、今まで以上に思わせてくれる現場でした。


●成田凌(今ヶ瀬渉役)
大倉さんとは日を重ねるごとに自然と距離が縮まっていき、肌が触れ合うと、お互いの距離感も変わっていくようで、すこしずつ息が合っていったように感じます。行定監督は何度もテイクを重ねてくださるので、俳優部としてはとても贅沢なことだと思います。この作品は、ふたりの姿が、痛いほどリアルで、美しくて、悲しくて……観て頂く方それぞれが、自分と好きな人を重ね合わせながらご覧頂ける作品だと思いますので、是非楽しみにしていただけたら嬉しいです。


●行定勲(監督)
とにかく風通しの良い現場でした。キャストの2人は淡々と自然にそこに存在していました。スタッフはチームワークが素晴らしく、撮影も怖いくらいに順調でした。主人公たちの繊細で曖昧な感情を深く汲み取らねばならない状況が多々あって、何度も立ち止まり、みんなで話し合って一緒に乗り越えられたと思います。大倉忠義の色気と成田凌の可愛らしさに何度も魅了された。“男同士って良いものだなぁ……”そんな言葉を何度となく呟きました何気ないところに幸せを感じて、なんてことない事に傷ついたりするんだなと。そんな、私たちが紡ぎ上げた刹那な感情が皆様に届くように仕上げていきたいと思います。


●水城せとな(原作)
この漫画は大変熱心なファンの方々にご支持頂いてきた作品なので、これまでなかなか実写化のお話はお受けする勇気が出ませんでしたが、今回のお話を頂き、託させて頂くことになりました。どんな風に仕上がるのか私もまだ想像しきれませんが、大倉さん、成田さん、行定監督のお力で、きっと見応えあるフィルムに昇華して頂けると期待しています。


(リアルサウンド編集部)