2019年03月15日 17:21 弁護士ドットコム
コンビニ本部との団体交渉を認めなかった、中央労働委員会の命令を受けて、コンビニ加盟店ユニオンは3月15日、厚生労働省で会見を開き、裁判で争うことを明言した。5月にも東京地裁に提訴する見込み。
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酒井孝典執行委員長は、「これまで本部に話をしても回答はもらえていなかった。(中労委の結果により)対応が一歩か二歩下がってしまうのではないかと心配している」と述べた。
オーナーらは、セブン-イレブン・ジャパンとファミリーマートに対し、団体交渉を要求。本部が拒否したため、地方労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
セブンについては2014年に岡山県、ファミマは2015年に東京都で団交すべしとの命令が出ていたが、本部が不服を申し立てていた。今回の中労委による命令は、コンビニのフランチャイズ(FC)制について初の判断で、地労委の判断を覆すもの。
命令書の中で、中労委はコンビニオーナーの裁量が一定程度制約されていることや、交渉力の格差は否定できないとしつつも、事業性の高さなどから労働組合法上の労働者とは認めなかった。
この点について、ユニオン側は「交渉力の格差を肯定しながら、それを解消するために不可欠な団体交渉権を否定し、労働法による保護を否定している」と批判した。現状では、コンビニオーナーが「面」となって話し合う場は法的には保障されていない。
「我々は会社をやっつけようと思ってるわけではない。加盟店は今、危機的な状況になっていて、ビジネスモデルが限界に達している。一定の緊張感の下に、社会のインフラとしてより成長できる形をとるために、団交をしたいだけだ」(酒井委員長)
ただし、命令書には、「適切な問題解決の仕組みの構築やそれに向けた当事者の取り組み、とりわけ、会社側における配慮が望まれる」との付言もあった。
ユニオンは付言に基づき、本部に話し合いの場をつくるようにも求めていく考えだ。
酒井委員長は、「(裁判などとも)並行して、フランチャイズ法を求める活動にも取り組んでいく」と話した。
(弁護士ドットコムニュース)