WEC世界耐久選手権は3月14日、“スーパーシーズン”第6戦セブリング1000マイルの公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組8号車トヨタTS050ハイブリッドがポールポジションを獲得。小林可夢偉らの7号車トヨタが総合2番手につけ、トヨタが今季4回目の予選ワン・ツーを記録している。
伝統のセブリング12時間を開催するIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との併催イベントとなった今戦の公式予選は、すっかり夜が更けた現地21時30分にLM-GTEクラスからスタートした。最高峰LMP1クラスを含むLMPクラス予選は22時開始の予定だったが、GTE予選中に赤旗が提示されたことで約10分ディレイ。22時12分から行われることとなった。
気温23度、路面温度30度というコンディションのなかで始まったポールポジションをめぐる争いはまず、レベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13・ギブソンを駆るトーマス・ローランが1分42秒746を記録しタイムシートの最上段につける。
これを遅れてコースインした8号車トヨタのアロンソが1分40秒124という驚速タイムで逆転。マイク・コンウェイの7号車トヨタが1分41秒082で続いていく。LMP1プライベーター勢がふたりめのドライバーに交代していくなか、トヨタの2台はクールダウンラップを経て2度めのアタックを敢行し、2番手につけるコンウェイが自己ベストを100分の2秒更新した。一方のアロンソはトラフィックに引っかかったか、大きくタイムをロス。ベスト更新とはならなかった。
セッション残り7分を切って、ようやくピットインしたトヨタ勢。予選後半戦を任されたドライバーのひとりである一貴は、アロンソの新レコードタイムに次ぐ1分40秒513をマークしてアベレージタイムを1分40秒318とする。
これに対し、コンウェイから代わったロペスはコースオフを喫するなど、なかなかタイムを伸ばせず。一時は5番手まで順位を下げた7号車だったが、最後はセッション終了ギリギリのタイミングで1分40秒544で記録し、平均タイムを1分40秒803でまとめて総合2番手に返り咲いている。
総合3番手はセッション終盤に3号車レベリオンを逆転したSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERが入った。タイムは1分42秒730で、4番手となった3号車とは0.163秒差だ。5番手はジェンソン・バトンの代役としてブレンドン・ハートレーが加わったSMPの17号車BR1、6番手にレベリオン1号車が続き、ドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンがクラス最後尾の7番手となった。
■“ミッドシップ”ポルシェが2クラスでポール獲得
LMP2クラスはダンロップタイヤを履くジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車、37号車オレカ07・ギブソンがワン・ツー体制を築いた。クラス3番手にはミシュランを装着するシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンが入っている。
地元シボレーが加わり6メーカーでの争いとなっているLM-GTEプロクラスは、上位6台が1分57秒台に並ぶ接戦が展開された。
そのなかでクラス2、3番手につけたフォード・チップ・ガナッシ・チームUK勢を抑え、ポルシェGTチームのマイケル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組92号車ポルシェ911 RSRが、1分57秒500というアベレージタイムでクラストップを奪取した。
LM-GTEアマクラスではクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEがクラッシュを喫したため予選最後尾となった一方で、デンプシー・プロトン・レーシングの77号車と、マシン炎上から復活を遂げたチーム・プロジェクト1の56号車によるポルシェ同士のポール争いが白熱。
赤旗中断を経て決した勝負の行方は、0.145秒差でWEC全戦出場を継続中のクリスチャン・リード率いるプロトン77号車ポルシェ911 RSRに軍配が上がった。3番手には予選前のFP3でクラッシュしてしまったアストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージが入っている。
“スーパーセブリング”の通称で呼ばれる2018/2019年WEC第6戦セブリングは、15日16時(日本時間16日5時)に最大8時間で争われる1000マイルレースのスタートが切られる予定だ。