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Netflix『クィア・アイ』シーズン3が配信開始 水原希子&渡辺直美出演の日本編はどうなる?

2019年03月15日 10:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NetflixやHulu、Amazon Prime Videoといった配信サービスにはリアリティーショーが多くある。映画でもなく、ドラマでもなく、リアリティーショー。映画やドラマとは異なり、分かりやすい脚色が少なく物語的構造から逃れているからこそ、人々は親近感を覚えやすい。リアリティーショーの中で悩んだり、泣いたり、笑ったりするキャストはまさに鑑賞者と対でもあるのだ。


 そんなリアリティーショーの中でも、“テレビドラマのアカデミー賞”とも言われるエミー賞を受賞するなど高い評価を受けているのがNetflixオリジナルの『クィア・アイ』だ。『クィア・アイ』は、悩みを抱えている人々たちをカリスマ的な人気を誇るゲイの5人組“ファブ5”が外見も中身も魅力的に生まれ変わらせるという人生“改造”リアリティ番組。


 ファブ5のメンバーは、ファッション担当のタン・フランス、美容担当のジョナサン・ヴァン・ネス、インテリア担当のボビー・バーク、カルチャー担当のカラモ・ブラウン、フード&ワイン担当のアントニ・ポロウスキの5人。彼らの和気あいあいとしながらも、悩みを持つ人々の声に真摯に耳を傾け、皆で問題を解決する姿が本作の大きな魅力だろう。


 ファブ5と悩みを持つ人々の会話自体はミクロなものだが、そこから様々な社会背景や偏見が浮かび上がってくる。「多様性」というのは近年において大きな社会的題材の一つだが、本作はそれをスマートに体現していると言える。シーズン1では、相談者が敬虔なクリスチャンだった時、「依頼を受けるのが怖かった」とファブ5のボビーが告白する場面がある。しかし、実際に対話することでそうした恐怖は払拭される。シーズン2ではトランスジェンダーの相談者が免許証の性別変更の手続きにいったが、職員に無下にされたエピソードを語っている。


 ファブ5のメンバーも差別を受けた過去を吐露する場面がある。彼らは自身の傷を知っているからこそ、決して相談を無下にしたりはしない。相談者が成功を収めた時には一緒になって涙も流し、間違っていると思うことは正直に話し合い、ともに人生をより良いものにしようと務める。その姿を目の当たりにすることで、鑑賞者も自分を自由に主張する勇気を持つこともできる。そう、知らず知らずのうちに私たちもファブ5に“改造”されているのだ。


 そんな『クィア・アイ』、2019年には日本へ上陸! 特別編『クィア・アイ: We’re in Japan!(原題)』として年内にNetflixにて配信予定だ。2019年1~2月に日本で撮影をしていたようで、メンバーのInstagramからも日本を満喫している姿を見ることができる。


 さらに今回の特別編では、水原希子がガイド役として全4話に出演、渡辺直美が第1話にゲスト出演することも発表されている。第1話の依頼人は渡辺の大ファンらしく、カルチャー担当のカラモが柔道場(!)にて渡辺を紹介する場面があるとのことだ。


 プロデューサーのデヴィッド・コリンズは、水原のガイド役での起用理由について「ファブ5が日本独特の習慣やトレンドを理解していくため、日本の流行をリードして、そしてファブ5を導く存在が必要だと考えていました。彼女は番組のことだけではなく、日本のカルチャーや実情も把握しています」と語っている。


 「日本人は礼儀正しい」「日本人はシャイだ」といった通説を耳にしたことがある方も多いのではないだろうか。もしかしたら、それは凝り固まった価値観かもしれない。ファブ5のメンバーが相談者をどのように“改造”するのかはもちろん、現代の日本を見た時、何を語るのか楽しみでならない。 (文=島田怜於)