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チャンネル登録者100万人突破 男女2人組YouTuber「ヴァンゆんチャンネル」の魅力とは

2019年03月15日 08:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 YouTubeで人気沸騰中の男女2人組「ヴァンゆんチャンネル」の登録者数が100万人を突破した。息の合った掛け合いが心地いいが、実は所属事務所が異なる珍しいコンビでもある2人。100万人登録突破を機に、本稿ではその魅力に迫りたい。


(参考:しばなんチャンネル登録者数200万人突破! 「これからも波乱万丈であたたかいチャンネルに」


■ヴァンゆんチャンネルとは?


 「ヴァンゆんチャンネル」は、VAZ所属のゆんとUUUM所属のヴァンビによる男女二人組のYouTuberだ。コンビを組む以前はそれぞれが個人チャンネルで活動していたが、現在はヴァンビの個人チャンネルを「ヴァンゆんチャンネル」として活動している(ゆんの個人チャンネルである「ゆんちゃんねる」は現在も活動継続中)。


 フィリピン人を母に持つゆんは2017年4月に初投稿して以来、着実に登録者を伸ばし、個人チャンネルの登録者数は約57万人を数える。当初から「元アイドル」であることを公言しており、実際に愛知県を拠点とする「BSJプロジェクト」というアイドルグループで活動していた経歴を持つ。そのため、活動初期の動画は一目でアイドルと分かってしまうようなぶりっ子キャラが特徴的であった。当初はそのキャラクターに抵抗を感じる視聴者も少なくなかったが、それを個性に昇華していく(現在はぶりっ子感は抜けている)。主にメイク動画や購入品紹介、弟へのドッキリ動画などを投稿しつつ、さらには「最新のカワイイ」を広げるガールズグループチャンネル「MelTV」への出演もあり、ファン層を広げていった。


 一方のヴァンビは2016年、チャンネル名「ヴァンビだよバンビじゃないよ」を立ち上げ、「【驚愕の完成度】トイレットペーパー120個でソファーつくってみた!!」という動画でYouTuberとしてデビューを果たした。その後、『天空の城ラピュタ』や『銀魂』、『黒子のバスケ』など人気アニメの料理実写化動画が大ヒット。2017年には、人気者が揃うUUUMクリエイターのなかで、11月度のMVPも受賞している。ややアダルトよりの際どい動画あり、ヴィジュアル系バンド・LOGのボーカルとして活動していた経験を活かした「歌ってみた」動画あり、幅広い活動で人気を拡大した。


 このように経歴を見ていくと、2人ともYouTuberになる以前から表現をする立場であったことが共通点と言えそうだ。


■ヴァンゆんチャンネルの結成の経緯


 事務所が異なる2人が出会ったのは、事務所の垣根を超えたクリエイター同士の交流の場だったという。会食や忘年会など、何度か顔を合わせるうちに意気投合。その経緯は、ヴァンゆんチャンネルで公開されている動画「ヴァンゆん賛否両論について、これが僕たちの本音です。」内で語られている。ゆんはYouTubeでの活動を始めたばかりで、先輩だったヴァンビからアドバイスを受けたことも回顧している。


 2人はコラボを重ね、好評を受けて「ヴァンゆん」としての動画投稿を開始。あまりに息の合った掛け合いから、カップルだと誤解されがちだが、2人は交際はしておらず、YouTuberとしてお互いを高め合う関係だということを付記しておきたい。


■ヴァンゆんチャンネルのオススメ動画


 ここでお互いの良好な関係性が築かれているからこそできる、ヴァンゆんチャンネルの動画を紹介したい。


 ヴァンゆんチャンネルの動画は、主に「モニタリング・ドッキリ・サプライズ動画」、大食いや早食いを含む「料理動画」、「○○あるある動画」の3つに大別される。その他、単発動画、ヒカルやぷろたんなど人気YouTuberとのコラボ動画も話題になるが、なかでも安定して高視聴回数を叩き出すのが、「モニタリング・ドッキリ・サプライズ動画」である。


 時にはセクハラと捉えられかねない際どい動画もあるが、2人の関係性を知っていれば安心して観られる動画になっている。一方で、体調を崩しているゆんにヴァンビが料理を振る舞うという「ヴァンビ評価爆上げ企画」や、「実は付き合ってますドッキリ」など、健全な動画ももちろん投稿されている。


 例えば、2019年2月に投稿されたばかりの動画「【モニタリング】相方の家に知らない女の下着とティッシュが散乱していたら…」では、ヴァンビがゆんに嫉妬してもらいたいという思いから、撮影部屋に女性の下着を仕込む。下着を発見したゆんがヴァンビに問いただすシーンは、本物のカップルを見ているようだが、実際にはビジネス上の関係である、というシュールな空気が面白い。他にもここで紹介するには躊躇してしまう刺激的な検証動画も多数投稿されているので、気になった方はチェックしてほしい。


 また、「思春期あるある」や「姉弟あるある」など、様々なあるあるを体現する企画も人気のシリーズだ。視聴者の共感を呼ぶネタから、あるあるの範疇を超えていくのが面白く(姉弟あるあるなら、姉を気遣う弟の察知能力が高すぎる、など)、一種のコントとして楽しまれているフシもある。


 さらに、まだシリーズと言えるほど数はないのだが、「メンヘラ替え歌」も、ヴァンゆんらしい破茶滅茶な展開が繰り広げられ、終始笑いが絶えない動画になっている。HYの代表曲「366日」の替え歌は、サビの歌詞とそれを歌う2人の表情が妙にツボに入ってしまうもので、コメント欄でも恒例企画になることを望む声が多く見られた。筆者としてもぜひヴァンゆんの定番企画化を希望したい。


 カップルもしくは夫婦のYouTuberは数多くいるものの、あくまでYouTubeを通じたビジネス上の関係性で成り立っている男女2人組、かつ所属事務所が異なるというのは珍しい立ち位置だ。カップルチャンネルになんとなく抵抗を感じる人も、男女の微妙なバランスで成立する軽妙なやり取りを楽しんでみてはいかがだろう。


(川崎龍也)