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【F1開幕直前インタビュー】トロロッソ・ホンダでデビューを飾るアルボン「実はまだ、実感があんまりないんだよね(笑)」

2019年03月14日 17:41  AUTOSPORT web

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アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
2019年F1第1戦オーストラリアGPでF1デビューするトロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボン。2018年にトロロッソへの移籍が決まったときの顛末、そしてオーストラリアGPの意気込みを聞いた。
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──いよいよメルボルンにやって来て、やや緊張してるように見えますよ。
アレクサンダー・アルボン(以下、アルボン):いや、緊張とはちょっと違うかな。ものすごくたくさんの報道陣に対応しなくちゃいけなくて、それに面食らっているだけだよFIA-F2とはあまりに違い過ぎる、別世界だよ。これから慣れていくと思うけど。

──クルマそのものや、レース週末の進め方も全然違いますよね。
アルボン:本当にそう思う。クルマに関しては、冬のテストでずいぶん適応できたと思う。レースの進め方についても、テストで繰り返し練習した。それがどこまで活かせるか、まずは今週末に見てみようと思う。

──ついにF1ドライバーになったんだという実感はありますか?
アルボン:実はまだ、(実感が)あんまりないんだよね(笑)。日曜日にグリッドについて、スタート前にエンジニアと握手する時になれば、そう感じるかもしれないね。

──改めて、トロロッソ・ホンダに抜擢された際のいきさつを話してくれますか。かなり遅いタイミングだったんですよね。
アルボン:そう。もうすでに、フォーミュラEの契約(※ニッサン・e.ダムス)が決まっていて、それをヘルムート(マルコ博士/レッドブル モータースポーツアドバイザー)が何とかしようとしてくれてたのは知ってた。最終的に彼から電話をもらったのは、アブダビGP明けの月曜日だった。その時僕は、ドバイのショッピングセンターにいてね。すぐにドバイからアブダビに飛んで、テスト(18年ピレリF1タイヤのテスト)に立ち合うことができたんだ。

──(2018年のシーズン中盤)F1シートを取れず、フォーミュラEに行くと決まった時にはさすがにがっかりしましたか?
アルボン:F1に行けないことが決まった時は確かに残念だったけど、でもその時にはすでにフォーミュラEに賭けてみようと気持ちを切り替えてたよ。シングルシーターのドライバーにとって、フォーミュラEというカテゴリーは十分にやりがいのあるものだからね。

──でもやっぱりF1が本命だった。
アルボン:それは、そう(笑)。でも1年前の今ごろは、まさかF1ドライバーになっているとは想像もしていなかった。ライバルたちのように自動車メーカーやF1チームの養成ドライバーじゃないし、そうするとF1昇格の可能性は一気に小さくなってしまうからね。

 でもたとえ最終的にF1に行けないとしても、とにかく1戦1戦ベストを尽くそうと決めていた。(トロロッソでの)状況が僕にとって追い風になった部分は確かにあるけど、でもF2で結果を出していなかったら、その風に乗ることもできなかったよね。

■F1第1戦オーストラリアGPはどんなアプローチで臨む?

──F1デビュー戦は、どんなアプローチを考えていますか。とりわけ慎重に、完走を考えている?とにかくクラッシュだけは、避けたいとか?
アルボン:デビュー戦だからどうこうというより、このサーキットがどんな特性かを考えるかな。ここは路面もバンピーで、ほこりっぽくて、路面グリップが走る度に変わっていく。すごくトリッキーな、新人のデビュー戦には決して向いてないコースだよね。

 だからこそ、ここを走り切れたら大きな自信になると思う。とにかくセッションごとに、その段階での課題をクリアしていく。それだけを考えて走ろうと思っているよ。

──レーススタートのことも、気になるでしょうね。
アルボン:確かに!それも明日以降、考えていくよ。グリッドポジション次第で、もちろん戦略も変わるわけだし。でもとにかく完走を目指すよ。

──トロロッソ・ホンダのパッケージについて、どんなマシンなのか語ってくれますか。
アルボン:テストは、本当に順調だった。とはいえ全部で4日間しか走ってないわけで、僕のようなルーキーには決して十分な時間じゃなかった。

 でもチームは、その間にほとんどのメニューを消化して、クルマへの理解も飛躍的に進んだ。あくまで現時点ということだけど、決して運転しにくいクルマじゃない。

 ただ高速区間は、ちょっと手こずるかな。挙動が少しトリッキーなんだ。だから今週末は、(高速複合コーナーの)ターン11、12は気をつけようと思っている。

 僕がF1マシンの高速コーナーでの速さに慣れれば、解決されると思うけどね。マシンフィーリング自体は、決して悪くない。ただカタロニア・サーキットはすごくスムーズで、一方アルバートパーク・サーキットはさっき言ったように埃だらけだし、路面もバンピーだ。そこでいかにミスなく、スムーズに走れるか。とにかくベストを尽くすよ。